いつか、こんな日が来るような気がしていた
いつも、心のどこかに棲み続けた不安を、
見ないように誤魔化していたのだ。
ウエスターレン、お前は
吾輩の言霊に操られず、本音で接し合える唯一の存在だった
お前の存在に、どれほど救われていたか、わかるか?
だがやはり、いつの間にか お前を縛り続けていたんだろうか
自由になりたいとおまえが望むなら 喜んで受け入れるべきなのだ
だがな…吾輩にとって、居場所はウエスターレン、お前なのだ
その居場所を失った今、吾輩が生きる意味は何だ?
お前にはお前の生き方がある。それを尊重してやりたいと、心から願う
だが……
せめて「ありがとう」の言葉も言わせず、
お前は去るのか、ウエスターレン!!!!!!!!
ベルデの施術を受けながら、イザマーレの脳裏に浮かぶのも
やはり同じ風景だった
ウエスターレンが姿を消してから数日後に目を覚ましたイザマーレ。
ベルデにもリハビリなども進められ、徐々に精神的にも体力も戻ってきていた。
時折、イザマーレはリハビリの為に庭に出てベンチに座っていた。
魔界では珍しくいい晴天。イザマーレは空を見上げた。
晴れ渡る紺碧の空を見つめ、一筋の涙を流す。
ウエスターレンへの気持ちは計り知れないほど思いはある
しかし、いつまでもクヨクヨしているわけもいかない。
スッパリ忘れる事は難しいだろうが…
吾輩は己の道を進むしかない
…ウエスターレン…お前を愛している…
一度も言葉で伝えることはできなかったが…
ほんの僅かなボタンの掛け違いで、別々の道を歩み出した光と紅蓮
だが、遠く離れた世界に居ても、お互いの魂が呼応し、共依存し合う
人間として、活動を始めながらも
ウエスターレンの脳裏に鮮明に浮かび上がるイザマーレの光…
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