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4月は人間界でも新年度…

魔界にある学園も新入生を迎える時期になる。


魔界で最高クラスの魔族が運営する学園…

魔界を統括するダンケルが創設し建てた学園。

そこに新しく任命を受けた悪魔が理事長に挨拶しに訪れた。

緊張しながら扉をノックする。


中から返事がして、中に入るとディスクの上には書類の山…

その間から美形の顔立ちの整った理事長ダンケルが微笑んでいる


「本日から任命を承りましたダイヤと申します。

宜しくお願い致します」


頭を下げダンケルに言った。


(この2魔はいずれ夫婦となるが…またその話は後程…)


ダンケルから学園の事などを聞き、その後学園内を案内された。


ある壁の所で立ち止まり…


「ここは副理事長が居るところだが…

今日も扉を消したままか…あいつは…全く…」


ダンケルが苦笑いしている。ダイヤは驚いて壁を見つめた


「…?副理事長室?何故扉を消してるのでしょうか…」

不思議そうにダイヤが問いかける

「あぁ…まぁ色々とな…」

ダンケルが言葉を濁す…。


『扉を消す』のキーワード

その意味は数ヵ月もしないうちにダイヤも分かることになる。

だがその時は分からず首を傾げていた。



 

理科室にやって来た

そこには角を生やし研究にいそしんでいる悪魔の姿が…。

ダイヤは研究室を見回した。

植物や色々な試験管や瓶が綺麗に並べてあった。

まるで森にいるようだった。

挨拶を交わし次へと案内される。


今度は学園全体の守衛、足の長い悪魔と会った。

眼光は鋭いが近づくと八重歯を見せ微笑みを見せた。


「イザマーレはまだ扉を消してるぞ!

何とかしろ!ウエスターレン。

挨拶に来たダイヤに会わせられないだろ!」


ダンケルが呆れ顔で話すのを鼻で笑い…


「仕方ねぇだろ…いつもの事じゃねぇか?」

と笑い飛ばす。


やれやれとダンケルは肩をすくめる。


「まぁ、その内に会えるから(笑)あと校長にもな。」


ウエスターレンに言われキョトンとするダイヤ…


「副理事長のイザマーレと校長のリリエルは夫婦。

毎日扉を消してるから」


ニヤニヤしてウエスターレンが話す。

反応に困るダイヤは引きつって微笑んでいた。


「まったく…困った副理事と校長だな…屋敷まで待てないのか?」


ダンケルはため息混じりに言った…



 

その他に保健体育の青い悪魔にも挨拶しに行く。

美形でスラッと背の高い悪魔…

ダイヤが挨拶すると手を取り笑顔で見つめる


「宜しくね♪いつでも俺の所に相談してね…待ってる。」

手の甲にキスをする。

アワアワして困った顔をしてダイヤはダンケルを見る



「…バサラ…貴様…いい加減にしろよ…困ってるだろ!」

ダンケルが冷徹に言った


「…す、すみません(汗)ついつい…」

バサラは焦りながら悲しそうな顔をして項垂れる…


また哀愁があり女性悪魔なら、慰める為に飛び付きそうな…

それをあざとく狙っているイメージがある。

自分に酔いしれている感じだ。


しかしダイヤは全く慰める事もなくじっとバサラを見ていた


「…変だな…他の女子悪魔ならすぐに慰めてくれるのにぃ!!」

呟く様に言っている


「…あぁ、すみません(汗)全く慰める気も出ませんでした…」


ダイヤの言った言葉にダンケルも微笑んでいた。

バサラはショックを受けていた…



(…この学園って…どうなってるの?一体?)


真面目過ぎるダイヤ…しかしその内に学園色に染まっていく…




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