プエブロドラドの中で、ダイヤが心を解放できるのは、
人間界にいた頃から親しくしていた仲魔たちだけだった。
彼女たちは元々、リリエルを中心に結成された
グループ「Lily‘s」の会員で、
プエブロドラドに暮らすようになってからも
頻繁にリリエルの屋敷を訪れては女子会を繰り広げていた。
「ダイヤちゃん、相変わらず大変そうだね。良かったら息抜きしていって」
ダイヤを見かけたバナトラが声をかける。
「うん、ありがとう。…これが仕事だから、仕方ないけどね」
「仕事に一生懸命なのは分かるけど。
上手に息抜きしないと、どこかでパンクしちゃうよ?
ねっ、今度また、メーラちゃんと一緒に
リリエルちゃんのお屋敷にお邪魔することになってるんだけど
ダイヤちゃんもどう?」
「……う~ん、上手く仕事が休めればなんだけど、
ほら、私の上司が仕事の鬼だから(笑)」
「仕事の後でもいいからおいで!リリエルちゃんにも伝えておくし」
バナトラはダイヤの肩を優しく叩いて、行ってしまった。
お誘いは有難いし、気の合うお仲魔との女子会は、
ダイヤにとっても魅力的に感じる。
だが、リリエルやイザマーレの前に姿を現す勇気がどうしても持てず、
「ごめんね、やっぱり仕事が終わらなくて」
と断り続けていた。
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