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処刑


修羅場の王室


ダイヤは怒りで我を忘れそうになる


ダンケルは微笑んでルイを見つめている


「…殺す…絶対に…(怒)」

手に魔力を集めダイヤが動こうとすると

イザマーレが剣を向けて含み笑いをしている。


「…動くなよ?ダイヤ。陛下の厳命だ」




 

イザマーレに言われ、

イラつくダイヤの身体から更に真っ黒なオーラが溢れ出し

部屋中に漂い始め、壁の一部が破壊されていく…


ルイは気にせずにダンケルに甘え始めた

「…陛下…やっとお逢い出来てルイは幸せです。

何故あの女を選んだのですか?

あんなに人間界で愛し合っていたのに…

抱いてくれてる時だって『愛している。離さない』って

言ってたじゃないですかぁ」


ダンケルはニコニコして聞いている


「はぁ???(怒)…閣下…もう限界だわ…刺すなりなんなりして…」


戦闘態勢になり始めたダイヤ…


他の部屋から爆発が聞こえた…

使用人の悲鳴まで聞こえる…


ダイヤが限界に達し魔力を爆発させているのだが

王室中に結界が張り巡らされている為、

跳ね返り他の部屋を破壊し始めている。


爆音を聞いて、ダンケルはダイヤを見つめて手を挙げ

一時的にダイヤの魔力を奪う


「…そう言ったようだな…私がベルデに作らせたクローンがな…」

ダンケルはルイを一瞬にして縛りあげ、突き飛ばした


「…え?…」


「…貴様は何か勘違いしているようだな…」

ダンケルはルイを踏みつけ、上から見下ろした




 

「…ダイヤに逢いに行った時も、人間界で私に付きまとっていたな。

即、抹殺しても良かったのだが…少し遊んでやろうと思ってな。

わざとクローンを出し遊ばせて貰った。

だが、退屈しのぎにもならない劣悪品で、うんざりしていた。

私は醜いものが大嫌いでね。本来ならすぐにでも抹消したいところだが

ダイヤの可愛い焼きもちを見せて貰った褒美をやろうな♪」


ダンケルはいきなり剣を出しルイを切付ける

断末魔の叫びが宮殿中に響き渡る…


冷徹なダンケルに、久々にダイヤもゾクゾクした。

おかげで怒りも少し収まってきた


ルイから流れる血を見ながらダンケルは冷酷に笑っていたが

腕や足を次々に刺しながらルイの悲鳴を聞いて

わざとらしく眉間にしわを寄せる


「しわがれた、醜い声だ…ダイヤはもっと美しく啼くぞ♪

遊んでやろうと思ったが、もう飽きた。貴様など玩具にもならんな」


ルイは既に意識も無く、口から血を流しぐったりしていた


「愚かで醜い、哀れな女だ…第二の魔生地獄で過ごせ♪」


ダンケルは剣を振りかざしルイの首をはね

ルイの身体は木っ端微塵になり消えて行った


「…まぁまぁ楽しかったな…」

ダンケルは剣を消しながら呟いた。


ふとダイヤを見て、ニコニコした途端…


「ちゃんと、仕留めてくださったのかしら?」


突然目の前に現れ、にこやかに凄むリリエルに驚き

「と、…当然だろ!当たり前の事を言うな!」

焦りながらも何とか体裁を整えるダンケル





 

「あとは、ダイヤ様をたくさん可愛がって差し上げてくださいませ♪」

リリエルはニコニコしてダンケルに言った


「と、…ところでイザマーレ。ダイヤの魔力はどうだ?」

リリエルの視線から逃れ、

ダンケルはダイヤを見つめながらイザマーレに聞いた


「はぁ…何しろ暴走しやすいコイツの事なので、

少々コントロールが必要でしょう。

闇のお仕置は、しばらく控えるべきですね」

イザマーレはダイヤを横目で見ながら伝えた


「…何で??閣下が『闇のお仕置き』知ってるの??」

真っ赤になりながらダイヤは顔を手で隠した


更にイザマーレは話を続ける

「ベルデに魔力を抑え込ませてもらうか

結界を強くしてもらったらどうでしょう。

今回、ダイヤが破壊した部屋など考えると

検討なさった方がよろしいかと…」


…ダイヤが破壊した部屋…5部屋…


王室…壁中にヒビとガラス10枚ほど破壊…


怪我魔…軽症3名…


今回の茶番は


ダイヤの魔力の程度を確認したいと

ダンケルから相談を持ちかけられ

力を手っ取り早く見定めるには怒らせる事であり

「甘ったれのダイヤなど、怒らせるのは簡単です」と

焼きもちを焼かせる事を提案したイザマーレ


ついでに昔の気まぐれ遊覧のせいで事を大きくした責任も、

ダンケルにしっかり回収させれば良いと目論んだ、

イザマーレとリリエルの作戦だった




 

「焼きもちでMAXになっちゃうって、ダイヤ様、可愛い♪」

リリエルはダイヤを抱きしめて微笑む


(リリエル、お前の場合は焼きもち焼いてくれる……かな(汗))

イザマーレはリリエルを見つめて思っていた


「怒りかあ……途中で飽きちゃうんですよね。

すぐ、助けてあげたくなっちゃうので…」

首をかしげて呟くリリエル


「リリエルの本気MAXの怒りなんか怖すぎだ!!

イザマーレ!絶対にリリエルを本気で怒らせるな!

厳命だぞ!良いな!」


ダンケルに言われたイザマーレは苦笑いするしかなかった…


リリエルが本気で怒る…

恐らくその前に、イザマーレの理性が限界に達するに違いない…


ダイヤと同じように思いながら

情報局からモニター越しに見つめていたウエスターレン


リリエルだけは素知らぬ顔で、イザマーレに微笑みかける

「私の魔力など、ほんの僅かな力です。

その力が最大限に発揮できるとしたら、それは怒りではなく

愛しい方をお守りしたい時。それだけですよ。ご安心くださいませ♪」


その後、大魔王と副大魔王

それぞれのプライベートルームの扉は

数日間消え続けた……



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