数週間前のこと。
バサラの邸宅でお茶会が開催された
ラァードルとセルダが、それぞれのパートナーを伴い参加していた
「文化局での結婚式っていうの? 綺麗だったね、スプネリアちゃん
その後どう?上手くいってるの?」
「バサラこそどうなのよ?毎日バナトラちゃんに
叱られてばかりいるんじゃないの?」
「バサラは自分の姿を鏡でずっと見るもんね(笑)程々にしないと
また家出されても、知らんよ?」
セルダが横からハルミちゃんを撫でながら話す
ラァードルもバサラのナルシストぶりはよく知っているので
苦笑するしかなかった
そんな彼らに思い切って相談する事にしたラァードル
「そういえばさ、あんた達はデートするならどういう所に行くの?」
「へ?」
「え?デート場所?」
それぞれ素っ頓狂な声を出し、聞き直すバサラとセルダ
「そうだよ、デートするならどういう所に行くか聞いてるの!!」
若干照れながらも質問する
「スプネリアちゃんには聞いてみた? 行きたい所あるのかどうか」
「そうだよ、彼女が行きたい所が優先だからね!」
口を揃えて最もな事を言う2魔
「前に聞いたけど、遊び場所やお出かけスポットを
ほとんど知らないらしくてさ
しばらく考えて出た答えが激安スーパーだったんだよ💦
買い物行くのと遊びに行くのでは全然違うじゃんか……
だから、どこか知らないかな?デートスポット……?」
「閣下達には聞いてみたの?」
ラァードルに笑いかけながら、訊ねるバサラ
「前に聞いてみたんだけど、
『吾輩達はもっぱら川原だった』なんだよ…💦
セルダもどこか知らない?」
「俺もほとんど知らないんだよ💦
出かけるにしてもハルミちゃんの散歩だし
知っての通り、俺も不器用だからさ……すまない、ラァードル」
「……そっか」
「ちょっと!どうしちゃったの?何か暗いよ💦3魔さん達」
新しいお茶を淹れに来たバナトラとプル―ニャが声を掛ける
ラァードルが振り向き、事の経緯を簡単に2名に説明する
「罪滅ぼしって訳じゃないけどさ、どこか連れて行ってあげたいなと
考えてるんだけど、思いつかなくてさ……どうせ遊びに行くなら
思い切りスプネリアに楽しんで貰いたいしね」
「そうでしたか……それでバサラにデートコース聞いてたんですか?」
「うん……サムちゃんにも聞いたけど教えてくれなくてね」
「「そうみたいよ」」
声を揃えるバサラとセルダ
「バカ!閣下が知らない訳無いじゃない!
ラァードル殿下、閣下に何て聞いたんですか?」
「えっ?…デ、デートするならどこ?って……」
戸惑いがちなラァードルの返事を聞いて、少し考えるバナトラ
「そうねぇ…… 次は、『遊びに行くならどこがいい?』って
聞いてみた方が良いかもしれない」
一名、確信したように頷き、続ける
「閣下とリリエルちゃんは、
お互い傍に居られればそれで満足しちゃうからね
近所の川原だろうが、お屋敷の中だろうが、何でも良いのよ。きっと。
だけど、リリエルちゃんを遊ばせたいと思ったら完璧にやる筈よ︎💕」
「そ、そうか、そう聞けばいいんだ!なら、サムちゃんだけじゃなく
リリエルちゃんにも聞けば良いかもしれないね!」
댓글