花の咲き誇った中…
心の片隅でずっと愛しく思い続けてきた悪魔から
聞きたくもなかった『解放する』との言葉…
『…少しお時間を下さい…』
俯いてイザマーレに告げたその日から数年、
ダイヤは、イザマーレ達の前に姿を見せることはなかった。
数年の間、ダンケルとイザマーレが公務や魔宮殿の中で会っても
ダイヤの話は出なかった。
何気にイザマーレはダイヤの気配を探すが
魔宮殿自体にダイヤの気配すらもなかった。
リリエルもダイヤの事が気になっていた。
ダンケルと公務で会った際、イザマーレの髪に座りながら
「ダイヤ様は、お元気なのでしょうか?」
心配そうにダンケルに聞くが…
「…さぁな?…お前が心配することではない」
冷酷に言い捨て、横目で睨み、その場を離れていく。
『少しお時間下さい…』と俯きながら言ったダイヤを
リリエルは思い出していた
5年の月日が経ち
ある魔界が晴天になった日にイザマーレは
ダンケルに呼ばれ魔宮殿の王室に姿を現した
王座に座っているダンケルに頭を下げた
「お待たせ致しました。何かご用でしょうか?」
「もう、そろそろ会わせても良いと思ってな…」
ダンケルはイザマーレを見つめて言った
「?」
なんの事か分からず首をかしげた。
ダンケルはイラっとしたが、ため息をついて
「…まぁいい。ダイヤがお前に答えを言いたいそうだ」
ダンケルはダイヤを呼び出した
王座の横に真っ赤な魔法陣が浮き上がり
闇のオーラの中からダイヤは姿を現した。
イザマーレは顔には出さなかったが内心驚いていた。
姿を現したダイヤ…
瞳の色はダンケルと同じダークブルー。
髪の色は黒に近い茶色の髪をいつものように立て
首筋には…ダンケルの紋章が刻印されていた。
イザマーレを見てダイヤは冷酷な笑みを見せていた
ダンケルは嬉しそうにダイヤを見つめている
「閣下の仰っていました『解放する』の答えが遅くなり失礼致しました。
5年もの月日が経ち、既にお忘れかとは思いますが…」
ダイヤはやっと笑顔を見せた
「解放して頂かなくっても結構です。
私はもう貴方様を求めてはおりません。
リリエル様をはじめ、今までご迷惑をお掛けしました。
心からお詫び申し上げます。私は陛下しか見ておりませんので」
ダイヤはダンケルを見て微笑んだ。
ダンケルも目を細め嬉しそうに微笑んでいた
「閣下の貴重なお時間を頂き申し訳ありません。
リリエル様にも宜しくお伝え下さいませ」
ダイヤは会釈をして再び闇のオーラの中に姿を消した
「…どうだ?ダイヤは完全に私の女になった。
もうお前に流されることもなかろう。今更後悔しても遅いぞ」
ダンケルは冷酷に言い放つ。
「そういう事でしたか。わざわざありがとうございました。
であれば今度、リリエルを連れて参ります。」
再び頭を下げ、イザマーレは立ち去った
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