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契約


やがて、ウエスターレンへの想いが暴走し、

天変地異を引き起こすようになったイザマーレ。


自身の抹殺計画を立てた時

初めてリリエルがおねだりをしたのだ

「最期まで髪に座らせてください」と……


笑顔さえ忘れかけ、凍り付いていたイザマーレの心を

溶かした瞬間だった


「人間のくせに、悪魔の為に泣くな」と揶揄しながら

涙に濡れたリリエルを抱きしめ、朝まで愛し合った

あの日の事を、忘れることはないだろう


直後にウエスターレンがイザマーレの元に戻り、契りを結んだ


イザマーレとウエスターレンが結ばれるのを見届けたリリエル。

イザマーレの幸せを心から喜び、もうその場にいるべきではないと

髪から離れていた


一抹の寂しさを感じながら、人間界に戻ったリリエルの元に

再び訪れたイザマーレ。

嬉しさと戸惑いのあまり

脳内が真っ白になるリリエルを強く抱きしめた


「最後まで一緒だと言っていたのに

勝手に離れるとは何事だ?リリエル。」


「///っ…だ、だって…」


「吾輩は欲張りなんだ。悪魔なものでな。

お前の事も手放す気はない。お前さえ良ければだが…

リリエル。また吾輩の髪に座ってくれないか?」


イザマーレは微笑んでリリエルに問いかける。


真っ赤な顔で俯き、戸惑い続けるリリエルに

笑いかけるイザマーレ


「心配するな。これは、悪魔との契約だ。」




 

「…契約…?」


「そうだ。契約には条件がある。

人間界のお前の旦那や娘たちの幸せを必ず守る事。

そして、必ず、吾輩に誓いの言葉を伝える事。どうだ?」


イザマーレの首に腕を回し、小さい声でつぶやくリリエル

「///お慕いしております、閣下…リリエルはいつでも

閣下のお傍に……」


「…おいで、リリエル…」

ゆっくりと優しく口唇を重ねる

肌に舌を這わせ、至る所に赤い刻印をつけていく

甘い吐息に、愛しさが溢れる


リリエルを人間界に戻す、時間ギリギリまで抱きしめ合う

心の隅に抱く、思いを秘めながら


(本来、お前と吾輩の間に、契約なんてものは必要ないのだ

だが、その言葉でお前が安心できるなら、それで良い。

リリエル…愛している…)



その少しの惑いを、感じ取ったリリエルが

ダイヤを見つけ、吾輩の元に近づけようとする

結果として、お前に全ての記憶を戻すきっかけになったのだから

あいつにも、感謝せねばならないな。




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