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後悔


リリエルが丸太小屋で過ごすようになって、数日が経過していた


毎日のように笑顔で寄り添われ、食事を用意され

男悪魔-ラドル-はすっかり骨抜きになっていた


「お兄様のために美味しいご飯を作って差し上げたいのですが

材料がなくて……私が出かけるのはお困りになるでしょ?」


困ったように俯くリリエル


「俺が代わりに買ってきてやるよ。」


「本当ですか?!嬉しい……」


「そ、そんなに喜ぶな!そんなの、ど~って事ねえから!」



 

「ありがとうございます。気をつけて帰ってらしてね。

行ってらっしゃいませ♪」


「////あ、ああっ、行ってくる……じゃあな!」

リリエルを抱きしめて、ラドルは丸太小屋を後にした


エマと共謀して、リリエルを誘拐した初日こそ

鍵をかけて見張っていたが

その後はリリエルに対する恋心から、

鍵をかける事もなくなっていた


(…だいたい、そんな事までする必要なんかねーだろ!

あいつを見てたら……////)


リリエルの醸し出す雰囲気に抗い、

無理に監禁拘束し続けられるような奴が

この世にいるのなら、お目にかかりたい


「……////////ああ~!くそっ」

自身の犯した罪の重さに後悔し始めていたラドルは

乱雑に髪をかきむしり、思い悩んでいた


そして、数か月前の出来事を思い返していた……



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