top of page

決戦


ミカエルが天使を引き連れ魔界に襲来した

ダンケルはバサラと兵士を連れ、ミカエル軍の前に降り立った


「わざわざ魔界に来なくても、こちらから天界へ赴いたのにな

死ぬために来たのか?ミカエル…」

ダンケルは楽しそうにニヤニヤしながら、怒鳴る


「ふん…わざわざ来てやったんだよ!感謝しな!大魔王よ…」

ミカエルも睨みながら言った


いよいよ始まる…。



バサラは心配していた

上手く軍を動かせるか…


(自主演習は兵士と何度も行って来た…大丈夫だ)


何度も心に言い聞かせていた。


「バサラ、抜かるなよ!行け!」

ダンケルは睨みつけ、その場から姿を消した



「お前ら行ってこい!天界の凄さ見せてやれ!」

ミカエルも笑みを浮かべ、同じように姿を消した

天使軍とバサラ軍が一斉に動き出した…



 

「はじまったな♪」


前方で天使と悪魔の兵士が一斉に混じり合い、

怒号と叫び声が響き渡っている。


目を輝かせ、自分も加わりたくて

ウズウズしているダンケルの横で

ミカエルは前方を見つめていた。


バサラは懸命に魔力を使って応戦し敵陣に進んで行った

だが、徐々に追い込まれ出した。


「何してんだ!あいつは(怒)」

イラッとしダンケルは言った


「…おやおや…追い込まれ出したね…」

ミカエルは笑っていた



そこへイザマーレと構成員が姿を現した。

ダンケルに頭を下げ、戦況を確認する。


バサラ軍を見ながら

「やれやれ…我々も動く。ミカエルいいな?」

イザマーレはため息混じりに言った


「どうせ下っ端どもだ。自由にやってくれ」

ミカエルは笑って言った




 

追い込まれるバサラは

動きながら兵士に指示を出していた


「隙を作るな!敵の動きを見ろ!!」


怒号の中では全く聞こえてない

飛び掛かってくる兵士を切り裂きながら焦っていた


その時

地面を這うように炎が走った


天使軍もバサラ軍も一斉に元の陣地に逃げた



「……!」


バサラは息を切らせながら顔を上げ驚いた




 

バサラを中心に、最高魔軍の構成員が立っていた


「…みんな…」


「良くここまで頑張ったな。バサラ」

イザマーレは横目を見てニヤっと笑っている


「!…っ、閣下…

ごめん、本当に俺、頼りなくて……」

悔しそうに俯きかけたバサラの肩に手を置くイザマーレ


「何を言う。お前は今も我々の大切な戦友だ。

困っているなら手を貸すのは当然だ。なぜ、苦しくなった時

我々に頼ろうとしないのだ?バサラ参謀」


「……!」



「苦しい時は一魔で抱え込まず、周りの仲魔を信用して頼る事。

それも、立派な戦術なのだぞ?なあ!」


怒髪天に凄まじいオーラを発動させるイザマーレ

その背後を固く護りながら、邪眼で睨みつけるウエスターレン

特大の魔水晶を取り出し、角を全開にさせ、穏やかに立つベルデ


「久しぶりに、派手に遊べるじゃんね?」

ニヤニヤしながら周囲を舐めるように見回し、鞭を振り回すセルダ


全身にエネルギーを充満させ、スティックを手に

「こっそりとなら、稲妻落としていいよね?」

と笑うラァードル




 

背後に闇の魔法陣が現れ、セリーヌとシルバが担ぎ上げた

輿に優雅に座り、冷徹な微笑を浮かべる大魔王


「私もイザマーレのいる最前線に立ち、威嚇してみたい♪

もっと前へ行き給え♪♪」

「勘弁してくださいよ💦💦」

ウズウズしているダンケルに、シルバは苦笑い



全構成員の姿を見ただけで消滅する天使も居た

天使軍は焦って後退りする…


そこにミカエルが降り立った


「ミカエル様!このままでは勝ち目がありません!ご指示を!!!」

天使が叫ぶ


「引き分けならいいんだよ。勝ちでも負けでもねーから!」

ミカエルは笑って言った


「は!?何を仰られてるのですか!?」


唖然とする天使にミカエルはとんでもないことを言い放った


「ん?なにお前。あいつらのオーラを見て

それでもまだ、勝てるとでも思うのか?

そんなに消滅したきゃ、ほれ、行ってこい」


兵士の1名をイザマーレ達の前に放り投げた。

放り投げられた兵士は真っ青になり逃げ出した


「…なんだ、もう終わりか?(笑)」

イザマーレは笑って言った。


ミカエルも同じく含み笑いを浮かべていた。

「こんなもんでいいだろ。俺への褒美は祝勝会参加権な!」

ミカエルは笑顔でイザマーレに言った。


イザマーレも苦笑しながら頷いた。




 

「おら、お前ら!!さっさと天界に帰らんか!!

悪魔共の餌食になりたくなければな!」

ミカエルは怒鳴り付け天使たちを退散させた


ミカエルは天使を見送りながら、イザマーレたちを見ていた



イザマーレたちに誉められ、ハイタッチするバサラ

そんなバサラを、時に羨ましく思う


…お互いに健闘を讃え合う、いい仲魔に囲まれて…

自由のない天界ではあり得ないと…








閲覧数:0回0件のコメント

最新記事

すべて表示

真相

ウエスターレンに飛ばされ、バナトラの自宅に現れたバサラ 「!!ちょっと!いつも突然に現れて!」 バナトラは驚いてバサラを軽く叩いた 「ごめんね♪バナトラに会いたくって、長官に頼んだんだ」 バサラは微笑んで言った 「…そんな訳ないでしょ!飛ばされたね?」...

過ち描いた絵の中に

ウエスターレンは飛ばされた先で、やっと目が覚めた。 突然の訪問に、メーラは喜んで出迎え、抱きついた 堪らずウエスターレンはメーラに喰らいつく。 次の日になり、ウエスターレンはメーラを連れて イザマーレの屋敷に戻った。 メーラが是非ミカエルにも会いたいとおねだりしたのだ...

事の始まり

最高魔軍の宴の後も、 ウエスターレンとイザマーレは酒を飲み続け 酔いもかなり回っていた。 リリエルはおつまみを出し 2魔の事を見守りつつキッチンに立っていた。 イザマーレ達の笑い声、楽しく話す声に耳を傾けながら 洗い物をしていた 片付けも終わり、2魔の元へ戻ると...

Comments


bottom of page