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激震


魔宮殿でダンケルとダイヤの儀式が行われている頃

イザマーレとウエスターレンは

リリエルを連れて再び桜の木の下に現れた。

その夜はLily‘sの自宅に招かれたリリエル。

送り届けるついでに、リリエルにも桜を見せてやりたくなったのだ。


「わぁ♪夜桜、素敵ですね!」

リリエルは目を輝かせながら言った


「だろう?」

イザマーレはリリエルの髪を撫でながら言った


「そろそろ約束の時間だろ?

また迎えに行く。楽しんでこい」

イザマーレはリリエルをLily‘sの自宅へ移動させた。


そしてイザマーレとウエスターレンの2魔は、

誰も居ない桜の下で、肩を寄せ合い、幸せな時間を過ごしていた


Lily‘sの所に現れたリリエル。

「リリエルちゃん!いらっしゃい。今日は来てくれて有難う!」

メーラはにこやかに言った。

いつもリリエルの屋敷に招待されているので

たまには…とメーラが誘ったのだった。


久々の女子会、Lily‘sの会話は盛り上がっていた。

構成員の話やダイヤの話、リリエルの最近の話等…


数時間は経った頃、イザマーレとウエスターレンは

リリエルを迎えにメーラの自宅に姿を現した。

メーラは2名に飲み物を出していた


その時にメルサが訪ねに来たのだ。

メルサからどうしても誘って欲しいと言われ

断れなかったメーラ。



 

メルサは席に着くなりリリエルに気が付き、話しかけてきた

「リリエル様、私はどうやったら参謀のお妃様になれるのでしょうか…?」


ウエスターレンは眉を潜めた。

また暴走しそうなメルサを静かに注視している。

そんな事も気付かず話を続けるメルサ。


「貴女のような方でもなれたんですよね?

小柄で、貧弱な感じだし、それほど美しくもないし……」


「…は、はは…(苦笑)」

イザマーレの前で平気に値踏みされ、

唖然として何も言い返せないリリエル。


「そんな事ないぞ。意外と出るとこ出てるしな」

「ちょっ…長官!//////」


何とかリリエルをフォローしようとしたウエスターレンに、

リリエルはさらに慌てふためく。


「……(怒)」


案の定、イザマーレはぶち切れ寸前だった


お茶会も終わり3名は屋敷に戻って来た。

爆弾を投下したことに気づいていないウエスターレンは、

メルサの処理をするために情報局部屋へ行った


「……」

「……」

気まずい空気が流れているイザマーレとリリエル



「リリエル!何故あそこで何一つ言い返さないのだ!

何も遠慮する必要ないだろう!

あと!ウエスターレンの言葉!

出るとこ出てるって何なんだ(怒)

ウエスターレンにも見せてるのか!

お前は吾輩だけの女だ!吾輩だけ見てろ!」



イザマーレは完全に焼きもちを焼いていた


「…そんなっ…長官に見せるわけありません!

リリエルは閣下だけのものです……」


困り果てるリリエルだが、イザマーレはまだ怒りがおさまらない


「この際だから言わせてもらう。知っているんだぞ、吾輩は!

お前とウエスターレンが…その……」


「!!!……も…申し訳ありませんっ……

一度の過ちは認めます。でも!

私はいつでも閣下のことしか愛せません!

あの時も…閣下の事が心配で……っ……」


ついに泣き出すリリエル。

リリエルの涙で、言い過ぎたと冷静になったイザマーレ


「…ではリリエルが吾輩の事を

どれだけ愛してるのか…確認させてもらうぞ」


リリエルを抱き上げ部屋の扉を消し、時間も忘れて愛を確かめ合った



 

心ゆくまで肌を寄せ合い、抱き合った後


「貧弱だの、出るとこ出てるだの、誰の女だと思ってるんだ!」

もう一つの怒りが収まらないイザマーレ。


「//////閣下……」

真っ赤になりながら、シーツに埋もれるリリエル。

「か…閣下に…ご満足いただけているのかなんて、

女の口からは聞けません……//////」


「手のひらサイズで丁度いいぞ?」

「もう!!!!それはフォローになってません!(怒)」

プンスカして膨れっ面になるリリエル。



可愛すぎる……



笑いそうになるのを何とか堪えるイザマーレ。


「その意気だ。ああいう時は、自信を持って言い返すべきだぞ。

だが、お前の魅力を知っているのは吾輩だけで良いのだ!

分かったな?」


優しく口唇を合わせ、もう一度愛し合う。

ゆっくりと時間をかけて……



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