ウエスターレンに飛ばされ、バナトラの自宅に現れたバサラ
「!!ちょっと!いつも突然に現れて!」
バナトラは驚いてバサラを軽く叩いた
「ごめんね♪バナトラに会いたくって、長官に頼んだんだ」
バサラは微笑んで言った
「…そんな訳ないでしょ!飛ばされたね?」
「だって…閣下に抱きついてたら…」
バサラの言葉にバナトラはため息をついた
「あのね…閣下はリリエルちゃんと長官の
大切な宝なの(怒)それにね…」
バナトラはバサラを押し倒した
「……」
見つめるバサラにのし掛かり
「バサラは私だけを見てればいいの。
今日は天界との戦いで活躍したのね?
リリエルちゃんやダイヤちゃんからメールが来てた。
やれば出来るじゃん…バサラは最高の悪魔だよ…」
「…バナトラ…」
「ご褒美あげる…」
バナトラはバサラに微笑み、口唇を重ねていった
バサラも微笑みバナトラを愛した
いつまでもバナトラを守り、強くなっていこうと心から思った…
バナトラとの深い夜を過ごしたバサラは
翌日、魔界の図書館へ赴いた
再び決戦に備え戦略を考えようと…
イザマーレ族の歴史、
炎の魔力を持つウエスターレンの歴史
天界との決戦など…
読めばためになる本ばかりだった
そんな中、ふと真新しいスケッチブックを見付けた。
最近置かれたばかりみたいだ。
バサラは何気に中を見て驚いた
「…これって…この前の…」
ウエスターレン軍やイザマーレ軍の演習時の絵であった
そして…
楽しそうに話すリリエルやダイヤの姿
絵物語は様々な角度で描かれていた
そして、次の絵に衝撃を受ける
「…陛下が…ミカエルと…」
この前の決戦の真相が徐々に分かってきた…
バサラは確認するためイザマーレの元へ行き、真相を訊ねた。
イザマーレはバサラの話を黙って聞きながら
含み笑いをしていたが
やがてバサラをまっすぐ見つめ、語り始める。
「バサラ。お前はしっかりやれば出来る悪魔だ。
だが最近は、ウエスターレンや吾輩の軍に頼りきりで
兵士を纏める戦略を立てることすら怠けてるよな。そんなことでは
いざ本当の決戦の時に魔界や陛下すら守れないだろ?
軍時局参謀のお前が戦略も立てず、兵士を路頭に迷わせてどうする。
お前が覚悟を決めなければ、全滅は目に見えている。
日頃からバサラ軍の足元を固めていけ。訓練を怠るな」
イザマーレの言葉に、バサラはハッとした
全てイザマーレ達の軍に任せ、
怠けていた自身の甘えに初めて気づき、俯いた
「だがな、バサラ。吾輩がお前を参謀として傍に置くのは
そんな事が理由ではない。お前の為にいくらでも力を貸すくらい
訳のない事だ。これからも、よろしく頼むぞ。」
イザマーレは微笑み、バサラを抱きしめた。
愛するイザマーレに抱きしめられ、嬉々としてバサラは立ち去る
(…それにしても、あの夜の凄まじい波動は何だったんだろう…?)
少しの疑問を感じつつ、気にも留めないバサラ。
一方、魔界図書館の整理に訪れた文化局長
バサラが読みかけたままにしたスケッチブックを
元に戻しながら、ほくそ笑む
… 一応、おふざけとはいえ、戦争の歴史だからね
後世まで語り継ぐ意味でも、記録は残しておかないと♪
君たちはいつも僕に奇蹟を見せてくれる。
あり得ないほどの強い波動を、
あんな手段でいとも簡単に作り出してしまうなんて…
…やっぱり少し、悔しいかな…(笑)…
Fin
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