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衝撃


事件の影響で、

魔界でも各地に張り巡らせた結界に無数の亀裂が生じていた

調査と修復の為、イザマーレとウエスターレンは地方に出向き、

その日は留守だった


リリエルは屋敷で公設秘書の仕事をしていた


Lily‘sはレストランで合唱練習の後、

メーラの部屋で女子会をしようと移動中だった


「!!」


突然、悪寒がするリリエル

(えっ…噓でしょ?こんな時に…どうしよう…)


かつてない震えの大きさは誤魔化しようもなく、

確信するしかなかった


(間違いないわ。震えてる場合じゃないの!!

リリエル!しっかりしなさい!!!)


自分を奮い立たせ、集中させると、木や風の知らせに驚愕する


(…!!Lily‘sが…!!!!駄目!絶対に……っ)


全容を把握した瞬間、屋敷を飛び出して行くリリエル


(お願い……っ 間に合って……!!)


ちょうど、メーラの部屋の前に辿り着いたLily‘s

猛烈な勢いで走ってくるリリエルに気が付き、笑顔になる


「あれ💕リリエル様~💕」

「良かった、どうやって声かけようかって話してたんだよ~」


笑って話をする彼女たちの頭上には、もう天使の姿が見えていた



 

(くっ……ギリギリ…どうか間に合って💦)

リリエルは必死に魔力を放ち、彼女たちを部屋の中に移動させる


「?!えっ何??」


唯一、移動させる事が出来ず

部屋の外でポツンと残り、戸惑っている悪魔のダイヤに

必死で駆け寄るリリエル


(ダイヤ様………っ!!!!!)


何とか辿り着き、ダイヤを強く抱きしめた瞬間

全ての攻撃を全身で受けるリリエル


途轍もない轟音と共に爆発が起こる

リリエルが盾になることで、

襲来した天使たちは皆、はね飛ばされた


だが、すべての攻撃をもろに受けた衝撃で気を失う


「!!リリエル様!!!!」


あまりの事に動揺を隠せず、

泣きながらリリエルを介抱しようとするダイヤ


地方公務に当たりながら、

リリエルの異変に気づいたイザマーレがすぐ現れた


「…!閣下…!!

リリエル様が!リリエル様が………っ!!!!」


取り乱すダイヤを余所に、詠唱を唱える


その瞬間、次々に襲い来る天使たちの軌道を

天界向きに変化させ、時空の彼方に轟音が鳴り響く


未だ、地上で燻り続ける天使の残骸は

イザマーレに続いて現れたウエスターレンが邪眼を開放し、

跡形もなく消滅させた



 

倒れたままのリリエルに歩み寄り、抱き上げるイザマーレ


泣き崩れるダイヤをチラッと見るが、すぐに瞬間移動で立ち去る


ウエスターレンもその後を追い、プエブロドラドに静けさが戻った…







 
 
 

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