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襲撃


……


「ラドル、エマを見かけなかったか?

イザマーレ様に依頼されている衣装のことで確認したいんだが……」


「ん?知らねーよ。親父のところじゃなかったのか?」


養父魔ランソフに呼び止められたラドルは、そっけなく答えた



「先日、パンデモニウム宮殿で行われた舞踏会に、どうしても

参加したいと言い出すから、仕方なく送り出してやったが……

また昔の悪い癖が出ていなければいいが……」


顔を曇らせ、ランソフが呟いた瞬間、

突如背後に魔法陣が現れ、何名もの悪魔に取り囲まれた


「!!!」


突然の襲撃に、なす術もなく傷つけられ、拘束されるランソフ


「私の娘を返してもらおう。立派に育てたお前には

たっぷりと褒美をやらんとな。」


「親父!!」

連行されるランソフに、焦ったラドルは激高するが


「私に協力するか?ラドルよ。お前の働き次第では

ランソフの命だけは助けてやってもいいぞ?フフフ……」


……


ヴィオラ侯爵の手に落ち、深傷を負い拘束されたランソフ

ラドルはランソフの身の回りの世話を命じられた


見張りの悪魔をなんとか誤魔化し、

ランソフは持っていた花の種をラドルに託した


「あってはならない悪意が、もうすでに動き出そうとしている。

お前は私に代わり、ある場所にこの種を蒔いてこい。良いな?

そして、困ったことになったら副大魔王様のお屋敷へ行け。

お妃様がきっと話を聞いてくれるだろう。分かったな。」


……




 

深い意味も知らず、言われた通り

『始まりの場所』に託された花の種を乱雑に蒔き、

数日経った頃、ラドルの前にエマが現れた


幼い頃に施設で養父魔ランソフに拾われ、

親子のように過ごしていたラドルの元で、

いつの間にか一緒に暮らすようになっていたエマ。


彼女の願いを叶える為、協力しろと言われる

しかも…従わなければランソフが殺されると…


エマはヴィオラ侯爵に操られたマリオネットと化していた

その魔術が解けた時、ランソフの命を奪うという呪いをかけられ……





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