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言霊


「!!!」


落ち着き払ったままのイザマーレの言葉にハッとするセルダ


「ほらよ!セルダ。これが要るだろ?」


イザマーレの背後を固く護るウエスターレンが

身に着けていたブレスレットの中から取り出したギターを手渡す



迷いを捨て、奏で始めたセルダ。そのギターの音色に合わせ

澄み渡る美声で歌い上げるイザマーレ


自然界から怒りのオーラが消え、元の穏やかさを取り戻していく

夢幻月詠の謡に酔いしれ、

黄泉の花園の手前で、静かに微笑むリリエルの復活を見守る


「…ん…かっか……?」

息を吹き返し、まだ気を失ったまま

イザマーレの名を呼ぶリリエル


「…リリエル。吾輩はここに居る。

よく頑張ったな。もう何も心配はいらない。

お前が眠れる場所は、吾輩の腕の中だけだ。安心して休め…」


呼びかけるイザマーレの声に、

目を閉じたまま、幸せそうな表情を浮かべるリリエル…





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epilogue

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