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負傷


言霊で惑わせ、鮮やかな身のこなしで剣を振りかざし

溢れ出るオーラは他の追随を許さず、

その場に居る天使たちを蹴散らしていく


副大魔王の圧倒的な強さの前に恐れ慄き、天使は皆、自爆していく

自身の死の恐怖にすら怯え、見苦しくのたうち回る一体の天使


あろうことか、イザマーレの領域に入り込み

その身を粉砕させた


ガラス細工のような瞳に最期に映り込んだのが

禍々しいほどに美しい大悪魔だったことは、幸か不幸か……


「吾輩を巻き添えにするとは何事だ!!勝手に消滅せんか!!!」


敢え無くイザマーレに首を撥ねられ、光の粒が舞う


「…くっ……」

血まみれになって跪くイザマーレ


(…吾輩とした事が…油断したな♪)


傷の深さや痛みなどは大したことがないが、出血の多さが気になる


(いかんな。このままでは貧血で倒れる…おまけにこの有様では

言霊の力も弱まるだろう…)


ある意味とても他人行儀に、自己判断を下しながら

意識が朦朧となるイザマーレ


倒れこみそうになった瞬間、目の前に現れた紅蓮の影…


「…ウエスターレン?」



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