top of page

負傷


言霊で惑わせ、鮮やかな身のこなしで剣を振りかざし

溢れ出るオーラは他の追随を許さず、

その場に居る天使たちを蹴散らしていく


副大魔王の圧倒的な強さの前に恐れ慄き、天使は皆、自爆していく

自身の死の恐怖にすら怯え、見苦しくのたうち回る一体の天使


あろうことか、イザマーレの領域に入り込み

その身を粉砕させた


ガラス細工のような瞳に最期に映り込んだのが

禍々しいほどに美しい大悪魔だったことは、幸か不幸か……


「吾輩を巻き添えにするとは何事だ!!勝手に消滅せんか!!!」


敢え無くイザマーレに首を撥ねられ、光の粒が舞う


「…くっ……」

血まみれになって跪くイザマーレ


(…吾輩とした事が…油断したな♪)


傷の深さや痛みなどは大したことがないが、出血の多さが気になる


(いかんな。このままでは貧血で倒れる…おまけにこの有様では

言霊の力も弱まるだろう…)


ある意味とても他人行儀に、自己判断を下しながら

意識が朦朧となるイザマーレ


倒れこみそうになった瞬間、目の前に現れた紅蓮の影…


「…ウエスターレン?」



 
 
 

最新記事

すべて表示
校長のサロン

「理栄先生!!本当ですか…!!」 噂を聞きつけたスプネリアとリリア、ムーランの3名が駆けつけると 同じように見に来ていたプルーニャ、ダイヤと出くわす 「あら?早速、いらっしゃったわね♪お疲れ様です♪」 理栄がニコニコと微笑んで出迎える...

 
 
 
魔鏡学園

「イザマーレ、お帰り…っておい」 副理事長室で待ち構えていた守衛ウエスターレンが、一瞬固まる 「…浮気か?」 ニヤッと目を細めるウエスターレン 「ウエスターレン…馬鹿な事を言うな」 言葉とは裏腹に、静かに笑みを浮かべるイザマーレ 「あ、あの…」...

 
 
 
交錯

生徒会室で眼光鋭くモニターチェックしながら 紫煙を燻らせていたウエスターレン 突如、一番手前にあるモニターが光を放ち、画面にノイズが走る すらっとした指先を巧みに動かし、相手からのメッセージを受け取る 「…マジか。了解した。」 軍服を着こみ、すぐさま部屋を後にする …………...

 
 
 

Comments


©2022 by 里好。Wix.com で作成されました。

bottom of page