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魔鏡


イザマーレとAnyeが立ち去った後の生徒会室


会長用のデスクの脇に飾られた魔鏡が光を放つ


 

魔界で最高クラスの魔族が運営する、とある学園…


校長の理栄は今、校舎内の見回りに出ている

副理事長室で、雑多な職務を捌いている時、魔鏡が光を放ち

交信してきた


「…そうか。承知した。後程、リストを提出する」


短い交信を終えた時、見回りから戻った理栄が

淹れ立てのお茶を運んできた


「副理事長、お疲れ様です💕」


「理栄、ご苦労。先ごろ話していた、

魔界高等専門学校への留学の件だが…」


「あ、はい。すでに選考は終えております。お待ちください」


一旦、校長室へ戻り、リストを手に戻ってきた


「もうすぐ、この子たちも卒業ですから…良い経験になると思います」


「分かった。では、先方に伝える。」

すぐさま魔鏡越しに交信を行う副理事長


「スプネリア様は…あちらの世界も見て、魔界や雷神界の歴史も

多く学べる事と思います」


「そうだな…理栄、こちらへおいで」

黒革のソファーに座り、校長の理栄を抱き寄せる副理事長



 

「…イザマーレ様…///////」

顔を赤くして、俯く理栄


「お前は?見てみたいか?別世界の吾輩の姿を…」


「…そうですね…どの世界でも、素敵に決まってますから

見てみたい…かな…?」


口元に手を当て、率直に呟きながらチラッと見返す理栄


「でも…当然、いらっしゃるでしょ?あちらの世界にも…」


「そうだな。どの世界だろうが、吾輩の隣には必ずお前がいる。

過去、現在、未来永劫な…」


優しく微笑み、口唇を重ねる

そのまま押し倒し、愛し合う2魔…


副理事長室の扉は今日も、順調に消え続けている


………………………………

………………


一方、過去の世界の恋魔Anyeは

屋敷のプライベートルームで、イザマーレの腕に抱かれ、眠りについていた


単位を取得する過程で、知りたくもなかった自らの宿命を悟り

愛を避け、常に己を律し、ダンケルの治世の為に邁進しているイザマーレ

堪えきれない孤独に、心の奥底で呟いた本音の数々が言霊となり

生み出されたいくつもの世界で、必ず寄り添い、咲き誇る花の存在


様々な困難を乗り越えた先の未来が、確かにあるのだ。それならば…

(あとは、ヒヨッコのお前次第なんだが…)

あどけないAnyeの寝顔を見つめ、静かに微笑むイザマーレ




 
 
 

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