魔鏡
- RICOH RICOH
- 2024年11月26日
- 読了時間: 2分
イザマーレとAnyeが立ち去った後の生徒会室
会長用のデスクの脇に飾られた魔鏡が光を放つ
魔界で最高クラスの魔族が運営する、とある学園…
校長の理栄は今、校舎内の見回りに出ている
副理事長室で、雑多な職務を捌いている時、魔鏡が光を放ち
交信してきた
「…そうか。承知した。後程、リストを提出する」
短い交信を終えた時、見回りから戻った理栄が
淹れ立てのお茶を運んできた
「副理事長、お疲れ様です💕」
「理栄、ご苦労。先ごろ話していた、
魔界高等専門学校への留学の件だが…」
「あ、はい。すでに選考は終えております。お待ちください」
一旦、校長室へ戻り、リストを手に戻ってきた
「もうすぐ、この子たちも卒業ですから…良い経験になると思います」
「分かった。では、先方に伝える。」
すぐさま魔鏡越しに交信を行う副理事長
「スプネリア様は…あちらの世界も見て、魔界や雷神界の歴史も
多く学べる事と思います」
「そうだな…理栄、こちらへおいで」
黒革のソファーに座り、校長の理栄を抱き寄せる副理事長
「…イザマーレ様…///////」
顔を赤くして、俯く理栄
「お前は?見てみたいか?別世界の吾輩の姿を…」
「…そうですね…どの世界でも、素敵に決まってますから
見てみたい…かな…?」
口元に手を当て、率直に呟きながらチラッと見返す理栄
「でも…当然、いらっしゃるでしょ?あちらの世界にも…」
「そうだな。どの世界だろうが、吾輩の隣には必ずお前がいる。
過去、現在、未来永劫な…」
優しく微笑み、口唇を重ねる
そのまま押し倒し、愛し合う2魔…
副理事長室の扉は今日も、順調に消え続けている
………………………………
………………
…
一方、過去の世界の恋魔Anyeは
屋敷のプライベートルームで、イザマーレの腕に抱かれ、眠りについていた
単位を取得する過程で、知りたくもなかった自らの宿命を悟り
愛を避け、常に己を律し、ダンケルの治世の為に邁進しているイザマーレ
堪えきれない孤独に、心の奥底で呟いた本音の数々が言霊となり
生み出されたいくつもの世界で、必ず寄り添い、咲き誇る花の存在
様々な困難を乗り越えた先の未来が、確かにあるのだ。それならば…
(あとは、ヒヨッコのお前次第なんだが…)
あどけないAnyeの寝顔を見つめ、静かに微笑むイザマーレ
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