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魔鮫


「! バサラ…相変わらず突然だな。バナトラの迎えか?」


情報局で、リゾートホテルのパンフレットを広げ、

あらゆる情報を仕入れていたイザマーレは

素知らぬ顔でそれらを隠す


「うん、そうなんだけど…

へえ~閣下たち、今度は避暑地にでも行くの?流石だよな~

…俺もさ、バナトラをどこかに連れて行きたいんだよ。でも

いろんな事を想定して考えている内に、

訳わからなくなっちゃってさ💦」


流麗さを失わず、項垂れるバサラに呆れつつ

ため息をつくイザマーレ


「想定して分からなくなるだと?何なんだそれは…

何処へでも、行きたいところに行けば良かろう?」



「だから~!!それが分からないから悩んでるんでしょ!!

それで?今度はどこだって…?ほうほう、なるほど…」


イザマーレが隠したパンフレットを目敏く見つけ、

中身を把握するバサラ


「…おいっ💦 お前まさか……」


「え?安心してよ。閣下たちの邪魔は絶対しないからさ♪」


ニカッと底抜けの笑顔を見せるバサラに

げんなりした表情で目配せし合うイザマーレとウエスターレン


(……ついて来る気だな…)




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