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鮮血


任務中のダイヤが魔法陣で姿を現した。


「!!陛下!?」

ビックリしながらもダイヤはうずくまるダンケルに近づき

しゃがんで肩に手を置いた。

「陛下?大丈夫ですか?結構血が…」

ダイヤが言い掛けた途端ダンケルは顔を上げた

「!!!!」

ダイヤの腕に激痛が走り痛みで叫んだ


ダンケルが牙を剥き出しにしてダイヤの腕に噛み付いていた。

痛みで暴れようが食い込みが激しく

神経まで切れる音までダイヤの耳に聞こえていた


「参謀ー!!和尚を!早く!!私が持たない!!

理性無くしてる!早く呼んで!!」

悲鳴を上げ叫びながら伝えた

ダイヤの腕から血が流れ地面は血の海になっている。

バサラは益々焦って魔法陣を使いベルデを呼びに行った


やっとダンケルはダイヤの腕から口を離し

服を引きちぎり、流れている血を飲み始めてる。


ダンケルから数万年に一度、

女の生き血を飲む事があると聞いていた。

女が居なければ高貴族の血を飲むことも…と


公務中の襲撃と数万年の一度の事が重なってしまったのだ。



 

その場にいた旧知の悪魔は、バサラしか居なかった。

バサラが被害にあわないよう、

理性を無くす前にダイヤを呼び出せと指示したのだった。


満足いくまで飲み続ける…

かつてダンケルの妃になった数少ない悪魔は

その犠牲にもなっていた事もダイヤは知っていた…

ダンケルからその時はベルデを呼んでくれとも頼まれていた


やっとバサラがベルデを連れて来た時には

既にダイヤは気を失っていたが、

ダンケルは口の周りを赤く染め、ひたすら飲み続けていた…





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