やっと出発したバス…
再びセリーヌがマイクを手にした
『は~い!!皆様~!次はいよいよBBQですよ~!
長官と、お留守番してる和尚が
選りすぐりの食材を用意してくれました!』
「楽しみ~!」
バスの中は盛り上がる。
「…野菜…あるんだよね…
とりあえず野菜は食べたふりして…肉だけ…」
ダイヤはボソッと呟き、含み笑いをしている
「……」
ダンケルはダイヤの言葉に、ニヤッっと笑いダイヤを見つめる。
ダイヤは気が付いてないが…何か企んでるようだった…
バスを走らせること30分…
山の中のBBQ場所に着いた。
『え~。構成員の皆様、
この場所は貸し切りにしてありますので、人間は来ません!
御本魔に戻っても良いですよ~!
人間のお姿でお疲れになると思うので!』
外に出ると構成員は悪魔に戻った
早速準備を始める。
椅子やテーブルの設営はダイヤとセリーヌも手伝う。
料理の下ごしらえはリリエルとウエスターレン、イザマーレの3魔で
手分けして用意していた。
近くにある川辺でバサラとセルダは楽しそうに話し、
ダンケルは椅子に座ってダイヤを見つめて微笑んでる
ウエスターレンが魔力でコンロに火を起こし、早速焼き始めていた。
「は~い!皆様~飲み物行き渡りましたか?」
セリーヌは声を掛ける
「いぇ~い!!」
ビールを持ち上げて盛り上がる
「皆様、お疲れ様です!乾~杯!!」
全員で缶を合わせて飲んだ
ウエスターレンは手際良く野菜や肉、魚を焼いていく
リリエル達はそれぞれの構成員に配った
イザマーレもウエスターレンのすぐ横で
リリエルと一緒に手伝う。
手際のいいウエスターレンを眺め、
食料を皿に乗せビールを飲んでいる。
リリエルはウエスターレンと並んで
焼くのを手伝っていた。
「長官!俺も手伝うよ!」
バサラが寄ってきたが…
「お前はいい!大人しく食ってろ(笑)」
「え~!役に立ちたいのにぃ!」
バサラは口を尖らせる
「バサラ!邪魔しない!こっちで食べてな!」
セルダがバサラを連れていく。
ウエスターレンはニヤッとしながら煙草を吹かし
メンバーの腹具合を計算しながら、焼き続けている。
「ほれ、焼けたぞ。」
イザマーレの皿に肉と野菜や色とりどりの食材を乗せ渡す
「リリエル、ほら…あ~んしろ♪」
イザマーレがリリエルに食べさせる。
それを見た周りの皆が真似をし始めた。
手伝うのを断られ、しょぼんとするバサラにセリーヌが…
「バサラ様♪はい、あ~ん♪」
食べさせてあげる
「セリーヌ~!有難う!おいちぃ」
モグモグするバサラを見て、苦笑いのセルダ
「セルダ。ほら、お前も食え。あ~ん♪」
いつの間にか、皿を配りに来ていたイザマーレが声をかける
「…閣下…!」
嬉しそうに笑顔を見せてモグモグするセルダ
「あ!!セルダ、お前ずるい~~💦閣下、僕にも頂戴~♪」
バサラがニカっと大きな口で笑い、ワクワクしながら待っている
「イザマーレ…他の奴らに配ってばかりで
お前はちっとも食ってないじゃないか。
ほら、お前の分はこっちだ。おいで…」
イザマーレ用に小さめに取り分けた皿を手に
甲斐甲斐しく世話を焼こうとするウエスターレン
「ああ、すまんな♪ウエスターレン」
イザマーレは嬉しそうにニコニコしながら
ウエスターレンの傍に戻る
「…ウエスターレン…」
放置されたバサラは、忌々しく思いながらも
イザマーレの運んできた皿の食材を綺麗に平らげ、ご満悦だ
ダンケルとダイヤは
既に麗ちゃん・なっちゃんと呼び合い
懐かしい話で盛り上がっている
「なっちゃん昔っから野菜駄目だな…食べないと…」
「え~?麗ちゃん食べて~!」
「好き嫌いしてると…お仕置きだぞ♪」
「…(/▽\)♪もう是非とも!」
2名はケタケタ笑っている。
その後ろにリリエルがにんまり笑みを浮かべ立っている
…気が付いたダンケルは含み笑いをした…
「…なっちゃん…おいで…」
「は~い!」
ダンケルは膝にダイヤを座らせた。
前にリリエルが居るのに気が付いたダイヤ…
「ありゃ!恥ずかしい(汗)」
ダイヤは照れたが…ダンケルに腕を掴まれ、押さえ込まれた
「ダイヤ様の大好きな野菜食べなきゃね(・∀・)ニヤニヤ♪
はい、あ~ん♪」
「いやぁぁ!リリエル様!」
引きつって叫ぶダイヤ
「リリエル、今だ!食わせろ!逃がさんぞ、ダイヤ!
野菜を食いまくれ!肉は野菜を食ってからだ!」
ダンケルがリリエルに協力するなんて…。
ダイヤたっぷり野菜を食べる事になる
ダイヤは涙目になりながら、やっと野菜を食べ終わり…
「食えるんだから、ちゃんと食べないと!美肌になれんぞ!」
ダンケルはダイヤの頭を撫でてやる
「…もう野菜はいらん…」
ダイヤはひきつって呟いた
「夜はご褒美やるから機嫌直せ~!な?なっちゃん!」
耳元で囁いて微笑むダンケル
「…口直し…肉を…」
ダイヤはふらつきながら、ウエスターレンの元へ肉を貰いに行った。
「陛下~ど~ぞ!」
リリエルが微笑みながらギンギンに熱々の肉を差し出す
「……(汗)」
ダンケルは無言でリリエルと差し出された肉を交互に見る
「陛下~あ~ん(* ̄▽ ̄)♪」
「こ、こら!リリエル!」
イザマーレはリリエルを止めた
「陛下、こちらをどうぞ召し上がってください」
直ぐに皿を変え、丁度いい熱さの肉と野菜を差し出した
「…イザマーレ…食べさせよ♪」
ダンケルはめちゃくちゃ嬉しそうだ
ハッとダイヤは振り向き、叫ぶ
「ちょっとぉ!閣下ぁぁ!陛下を取らないでぇぇ!」
ダンケルの困り顔に満足したリリエルは
ダイヤの横に来て熱々ギンギンの肉を一緒に食べていた
「熱々ギンギンでも美味しいのに…熱!!」
「…リリエル様、そりゃ冷まさないと熱いわ…大丈夫?」
ダイヤもハフハフしながら食べて聞いた。
リリエルの声に、すぐさまイザマーレが駆け寄る
「リリエル、大丈夫か?見せてみろ…」
「舌…少し火傷しちゃいました…(^-^;」
照れながら言うリリエルに顔を近付ける
(おぉ!!チューか!?)
皆が期待した。だがその途端…
「閣下~俺も火傷したみた~い!!」
バサラが邪魔するようにイザマーレに近寄る
そんなバサラをひっぱたき、イザマーレから引き離すセルダ。
「いやぁぁ!!閣下とチューする~~~っ!!」
わめきながら、セルダに引きずられるバサラ
ダイヤは苦笑しながらウエスターレンのところへ行き
おかわりを貰っている。
バサラとセルダ、ダンケルは
イザマーレのチュー欲しさに懸命に訴える…
囲まれたイザマーレは、やや困惑しながら律儀に応じる…
そんな中…リリエルとダイヤはウエスターレンと黙々と食べていた。
「あ、そうだ…」
ウエスターレンは隠し持っていた食材を作り
リリエルとダイヤの前に置いた。
「凄い!さすが長官!頂きます」
リリエルとダイヤは嬉しそうに食べ始める
ウエスターレンは煙草を吸いながら、笑顔で2魔を見つめていた
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