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ある話



イザマーレ&ウエスターレンおまけのリリエル

※当作品について、他ブログやSNS等の転載はお断りです。

「なっ……」


ツアー初日を終え、屋敷に戻った吾輩の目に

信じられない光景が飛び込んできて、呆然と立ち尽くす


熱っぽい赤ら顔で、ベッドの左側に鎮座する

抱き魔クラにもたれ、スヤスヤと寝ているリリエル…


ツアーの為に人間界に出向く間、寂しさを埋めるために

吾輩の顔がプリントされた抱き魔クラを、密かに代用してる事は

知っていた…今回も忙しさにかまけて、つい没収するのを忘れたのだ💦


だが、ギリギリのところで理性をセーブしているのも

使用してるのが吾輩の顔の抱き魔クラだからであって


…怒りが込み上げてワナワナしてくるのを、何とか堪える


オーラを察知して、彼女の左側にあった存在が振り返る


「…よぉ。おかえり」


「…ウエスターレン…これは、どういう事だ?」


「こいつ昨日、ワクチン接種しに行ったの、知ってるよな」


「…ああ、LINEで聞いた」


「今朝からずっと、左腕が痛くて辛いんだと。

かなり熱も高くてな…」


ワクチンの副反応の事くらい、説明されなくても分かっておる

問題は…リリエルが腕を回し、もたれているのが

ウエスターレンの抱き魔クラ、ということだ💢💢


「……で?」


「今日は左側を向いて寝るのが辛いからって

イザマーレと俺の位置を交換したんだよ

ついさっきまでは、お前の魔クラに

しがみついてたんだが…眠った途端、いつものクセで

こっち側に寝返りしてきてな😅」


「………」


まだ納得したわけじゃないが、熱った顔で

2つの抱き魔クラの位置を、せっせと交換する

リリエルの姿を想像して………


溜飲が下がる


「で?だからと言って、なぜお前

そこに入り込んでギューってされてんだ?💢💢」


「お前ね…💦あんまり熱が高いようだから、俺が少し

コントロールしてやろうと思っただけだ

つべこべ言わず、とっとと抱きしめてやれ」


「…い、言われるまでもないわ💢💢」


「あ、そうそう。当然ながら、お前

今夜は添い寝禁止な?」


「…はあ?」


そそくさと、ウエスターレン魔クラを片付けて

リリエルの隣に入り込むイザマーレは

ウエスターレンの思わぬ言葉に固まる


「…明日になれば、姫君の笑顔は復活する。

それまでは我慢しろ。その代わり、

俺様が可愛がってやるから🎶」


「…!!///」


「ほらほら。リリエルの残り香もおまけで楽しめ︎(笑)」


「………💦💢💦💢💢…///」


Fin

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