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対応力


バサラに連れられベルデは姿を現した


「!!!!ダンケル!!」

ベルデは一瞬固まったが何とかダイヤとダンケルを引き離した

ダンケルに結界を貼り、ダンケルの動きを止めた


ちょうどその時、

「おい(怒)ダイヤ!!お前任務は……」

ウエスターレンとイザマーレが一緒に姿を現した


ウエスターレンは、任務の途中でダンケルの元に行ったダイヤを

上司として叱りに…

そしてイザマーレは、ダンケルの護衛をしているバサラを心配して…


血の海でうつ伏せで倒れているダイヤと

必死にダンケルに結界を貼り動きを止めている

ベルデを目の当たりにして

ウエスターレンとイザマーレは愕然とした




 

「早く!!ダイヤちゃんを僕の医務室へ!!

輸血させないと!出血が多すぎる!こっちは何とかするから!」

ベルデは怒鳴った


バサラは固まったままだ


イザマーレは迷わず血塗れのダイヤを抱き上げ

ベルデの医務室へ移動した。


ダンケルはダイヤの気配が消えると剥き出しにしていた牙も消え

真っ赤になっていた瞳もダークブルーに戻っていた

ベルデはダンケルに教わった呪文を唱え、最後に魔力を送ると

結界と共にダンケルはその場から消えた


「…はぁぁ…終わった…」

その場に座り込みベルデはため息を付いた


「一体、何があったんだ?ダンケルは?」

見届けたウエスターレンは心配そうに聞いた



「…ダンケルも医務室へ移動させた…

眠ってるから目が覚めれば元のダンケルだよ…

今までの事はバサラから聞いて。

今はダイヤちゃんの輸血しなきゃ…」

ベルデはふらつきながらも立ち上がり、魔法陣で立ち去った


残されたウエスターレンは関係者などに指示を出しその場を収めた。


「…どうしよう…俺のせいで…」

バサラは呆然と呟いていた。


「さて…」

ウエスターレンは一仕事終わらせ煙草を取り出して吹かした

「…バサラ何があった?」




 

バサラは今まであった事を説明した

突然の事で庇い切れなかった事、

ダンケルの指示で任務中のダイヤを呼び出した事も


「俺が犠牲になっても陛下をお守りしていれば!

ダイヤちゃんがあんな事には…」

バサラは頭を抱え俯いた


「まあ…ダンケルが呼べと言ったのなら従うしかないよな…。

だがダンケルに怪我を負わせた事は大問題だぞ!

今回は護衛が初めてとは言っても…軍事局参謀のお前が

これくらいの事を対処できなくてどうする!

油断していたな…バサラ。

残念だが処罰は逃れないと思っておけ」

ウエスターレンは冷たく言いはなった


「…分かった…」

バサラは俯いたまま呟いた





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