数日後。
朝の家事を終わらせたリリエル。
「さて。ダイヤ様にお会いしたいけど、どうしよう……」
そこへ、ウエスターレンがやってくる。
「俺が飛ばしてやろうか?あの場所へは俺も一緒に行ってやる」
「キャー(≧∇≦)、ありがとうございます♪
それでは閣下、行ってまいりますね」
「ああ、吾輩もそこで待ってるから。よろしくな。」
リリエルを抱きしめ、髪を撫でるイザマーレ。
「よし、リリエル。行けっ」
ポーン……
……
王室では、ダンケルに呼び出されたベルデが来ていた。
「ダンケル、お待たせ。どうしたの?」
「やあ、ベルデ。お前の言う通り、作戦を切り替えたぞ。
その結果、見事に上手く行っているようだ♪感謝する」
明るいダンケルの様子に、ため息をつくベルデは
釘をさすことも忘れない。
「お役に立てて何よりだよ。…でも、やりすぎには気を付けなよ?」
「…あとは、リリエルちゃんが心配だけど…」
「……よく考えたが、やはり今回はダイヤだけが悪いんじゃない。
ミカエルのせいだろ?私は間違えてないよな?」
「…そうなんだけど、やっぱり、一番のとばっちりは…」
その時、突然姿を現したリリエル。
「「うわあぁぁぁぁぁっ」」
慌てふためく2魔。
「こんにちは♪陛下。それに、和尚も」
ニッコリ笑顔のリリエル。
「…体調はもういいのか?」
なんとか体裁を整え、問いかけるダンケル。
「ご心配をおかけして、すみませんでした。
このとおり、元気です。
ご報告が遅れてしまい、申し訳ありません」
「そ…それならいいが、いつも突然現れやがって
脅かすな!何とかならんのか!!!」
イラ立ちが隠せないダンケル。
「あ、すみません。
生贄生き血祭りの後から、瞬間移動だけは
どうしても出来るようにならなくて…
今日は、長官に飛ばしていただきました♪」
「……」
にこやかに応じるリリエルに、ダンケルは言葉を失う。
「そういえば……
あの時、イザマーレの暴走を止めて救ってくれたのも
リリエルちゃんだったね。僕たちは、これまで君に、
どれだけの重荷を背負わせてきたんだろう……
それなのに、リリエルちゃん。どうして君は
いつもそんなに朗らかに笑っていられるんだい?」
ベルデは穏やかに訊ねる
「そんな……私の事など、気になさらないでくださいな。
イザマーレ閣下のお心を癒せれば、それだけで満足なのですから」
「……いろいろ、すまなかったな。リリエル」
ポソッと呟くダンケルに、さすがのリリエルも驚いた。
「!……いえ、本当にお気になさらず。
あの、ダイヤ様に会わせていただけますでしょうか。
先日、お屋敷までお越しいただいたのに、お相手できず
失礼してしまったので……」
「分かった。少し待て」
ダンケルはすぐダイヤを呼び出した。
「陛下、お待たせしました。何か御用……!!!」
リリエルがいるのを知らずに、王室の扉を開けたダイヤは固まった
「…ダイヤ様……」
いつもと変わらず微笑むリリエルに、ダイヤは涙が溢れた
「リリエル様……」
「先日は、ごめんなさいね。ダイヤ様。
お詫びに今日は、素敵な場所にお連れしたいの。
よろしいかしら?」
「!はい、是非♪…陛下、いいですか?」
「もちろん、構わないよ。行っておいで♪」
ダンケルは優しく見つめ返す。
そんなやり取りを見届けたベルデ。
「…素敵な場所?気になるなあ。良かったら、
僕もお供させてくれないかな?
その後、ダイヤちゃんと話もしたいし。」
リリエルは微笑んで頷く。
「もちろんですよ。ありがとうございます。
では、参りましょう♪陛下、失礼します……」
魔宮殿の扉を開けると、そこにウエスターレンが佇んでいた。
「長官、お待たせしました♪」
「リリエル、待ってたぞ♪なんだベルデ。お前もか?」
「そんなに邪険に扱わないでくれよ。
君たちの素敵な場所なんだろ?
僕にも教えてくれたっていいじゃない♪」
そう言いながら、イザマーレの気配を感じ取るベルデは
スタスタ歩いていく。
クスクス笑いながらその後に続くリリエルたち・・・
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