やはり自分には、任務を着実に遂行するしかないと気負い、
何かから逃れるように働き続けるダイヤ。
ついには体調を崩して倒れ込んでしまった。
数時間後、とても静かな部屋で目を覚ましたダイヤ。
「…気が付いた?しばらく身体を休めて、安静にしていてね。
今、点滴を打っているから」
ベルデが穏やかに語り掛け、部下には迅速に支持を出している。
どうやらここは、文化局の救護室のようだ。
「君が寝込んでいる間、いろいろ検査させてもらったけど
ちゃんと休んでる?働きすぎなんじゃないかな。いくら悪魔といっても
体調管理は大事だよ。」
「和尚…ご迷惑をおかけしました…」
「相変わらずだね。こういう事は”迷惑”ではないだろう?
僕はただ、君を心配しただけだよ。」
朗らかに笑うベルデに、俯くダイヤ。
「仕事で煮詰まってるのかな?
一名で悩まずに相談してみたら?リリエルちゃんに…」
明るく提案され、何も言えずに固まるダイヤ…
実は、ダイヤは孤独に一生懸命仕事をしていたつもりだが
彼女の配属先は情報局。
つまり、ウエスターレンの配下ということになる。
さらに、プエブロドラドの入村審査を行うのはイザマーレであり、
ダイヤの動向も、村内で起こる諸問題も、
すべて見守られていたのである。
ダイヤの気持ちを考慮し、決して表には出ないが
ダイヤの力になれるよう、影で動いていたのはリリエルだ。
いっぱいいっぱいになりつつあるダイヤを心配し、バナトラを使って
女子会に誘い出したのもリリエルの思惑によるものだった。
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