ダイヤは戦闘服のまま人間界に降り立っていた。
ダンケルがいつ魔宮殿に戻ってくるか分からず
着替える時間すら惜しかったのだ
ダイヤの目の前には海が広がっていた。
幼き頃…この浜辺でよく遊んでいた。懐かしい…
全く風景は変わらない。海風も心地よくゆっくり深呼吸をした。
波の音に癒され風も身体をすり抜けて吹いている。
全てを忘れたい…
場違いの真っ黒い服を着て海を眺めていた
周りからはじろじろ見られるが…全く気にもしなかった
「…あ、あれ?ま、まさか…な、なっちゃん?」
1人の女性が声を掛けてきた。
ダイヤは横目で女性を見て驚いた。
人間界の幼なじみだった。
(…その名前で呼ばれたの、久しぶりだな…)
「…ゆうちゃん?だよね?」
ダイヤは笑顔になって言った
「…生きてたの!?え?葬式上げたよね??」
裕子は引きっていた
「そうだったね…今は悪魔として魔界に生活してるのよ…
信じられないかもしれないけど…」
俯いてダイヤは言った
「…今、居るんだからそうなのかな?
…どうした?泣きそうな顔して…
こっちが忘れなくなって来たん?」
裕子は冗談混じりに言った
「……自分探しに来た…」
泣き出しながらダイヤは今までの事を全て話した。
「…そんな事があったんだ…まさか…閣下の近くに居るとは…
で?なっちゃんは魔界の大魔王の后なの?」
ダイヤは頷いた。
「…閣下に怒られて…何だかもう
自分の焼きもちが訳分からなくって…」
ため息混じりに言った
「…おいおい…焼きもちって…こっちの世界なら浮気だわ(怒)
閣下にだって妃が居るんでしょ!よくあんた
旦那に抹殺されないわね?何考えてんの!昼ドラか!」
裕子は笑いながら言った。
裕子の笑顔に少しだけ心が晴れ
ダイヤも泣きながら笑顔になった。
「…少しは気持ち落ち着いた?」
裕子が心配そうに聞いてくる
「天界とか魔界とかミカエルとか言われても良く分からないけど…
あんたが浮わついてたら全面戦争になりかねなかったんじゃないの?
下手したらこっちの世界まで悪影響が来てもおかしくないよね?」
「…そうかも…」
ダイヤは俯いた
「…しっかりしなよ!なっちゃん…もう!…昔と変わらないわね!
とりあえず今日はみんなを集めて飲み会やろう!
なっちゃん励ます会だな♪」
「でも…死んだはずの私が居たら…」
「説明すりゃいいことでしょ?何今更びびってんの(笑)」
裕子は笑いながら、ダイヤの同級生だった連中を
呼び出して飲み会を開く事になった
夜…
居酒屋にダイヤの同級生やら友人が集まってくれた。
友人たちは皆、ダイヤを見た途端、
驚きペタペタ身体を触ったり抱きついたりしていた
裕子がざっと今までの事を説明した。
更に皆からの質問責めになり
ダイヤは困った顔をしながら答えていた。そして…
「閣下にお前はいつも流されて!って怒られたんだけど…
私…流されてないよね?」
お酒を飲みつつダイヤは聞いた
「…え?今更?…流されてたじゃん!
学生の頃も…知らなかった?皆知ってたよ?」
ダイヤはグラスを落としそうになった…
「えー!嘘!わ、私…流されてた?本当に?」
ダイヤは引きって聞いた。
皆は揃って首を縦に降る。かなりショックを受けた
「…マジかぁぁぁ…」
ダイヤの言葉に笑いが起きる。
それからは色々な話で盛り上がった。
その内に各々の話や思い出話しに盛り上がっていた
「…なっちゃん…」
裕子が話しかけてきた
「…流されないようにするのは直す部分かもよ。
閣下が好きなのは分かる。だけどさ…
相手にしてくれないのは仕方ないよ。妃も居るんだから。
それに閣下が怒ったのは…
あんたに気が付かせたいと思ってくれてるからじゃないのかな?
魔界を纏めるトップの后なのに、
他の男に流されてたらダメ女子じゃん。魔界も崩壊するわ。
だから閣下もキツい事言ったと思うよ?
天界と全面戦争になったら責任取れないでしょ?例え后でも。
その尻拭いをさせられるのって、
結局いつも閣下なんでしょ?そりゃ怒るよ」
「…そうだよね…」
ダイヤは呟いた
「少し羽伸ばして、頭切り替えたら進まなきゃ…ね?」
裕子はダイヤを抱きしめて言った…
Comments