数日後、キッチンで夕食を用意するリリエル
「お待たせしました~。今夜はビーフストロガノフで~す。」
「おっ、さすがだな♪」
ご満悦のイザマーレ。
「ふふっ♪あれ、長官は……?」
「ん?ああ、ウエスターレンなら…」
言いかけたところに、颯爽と登場するウエスターレン。
「待たせたな。今夜は特別に奮発しなきゃな。そう思って
人間界に行って調達してきた。リリエル、今夜はお前も飲め♪」
そう言って取り出したのは、極上の赤ワイン。
「わぁ♪ありがとうございます(*´艸`*)」
「俺からのささやかなプレゼントだ。受け取ってくれ。
イザマーレ、そしてリリエル。この日をどんなに待ちわびだことか…」
「…長官…」
思わず涙ぐむリリエルだったが…
「はあ~、もう、マジで限界。
お前らがいくら扉を消そうが構わないが
まともな料理にありつけないのは、しんどいぞ(笑)」
「!…ごっ、ごめんなさい💦
どうぞ、お腹いっぱい召し上がってくださいね♪」
同じテーブルで食事をしながら、色々な話で盛り上がる3魔
「それで、ダンケルへの報告はどうする?」
「ああ、明日にでも陛下の元へ伺う予定だ。」
「そうか~…一つ、忠告してやる。魔宮殿へは馬車で行け」
「えっ////馬車??」
真っ赤になって驚くリリエルに
ある情報誌を差し出すウエスターレン
「お前たちがいつまで経っても出てこないもんでな。
魑魅魍魎が跋扈する魔界において、
外野を黙らせるのも一苦労なんだぞ?
これは、今、魔界中の悪魔が
こぞって買い漁っている雑誌なんだが」
そこに載っていたのは
『副大魔王閣下、意中の相手とついにゴールイン!!』
『熱愛のお相手のピンチに、王室パーン!』
『お姫様抱っこで立ち去る姿は、素敵な王子様!』
『ハネムーンは思い出の土地で…お妃さまと蜜月の日々♪』
などなど…
「……(//∇//) 」
「そんなわけで、お前たちは今、魔界中の注目の的だ。
仕方ない。護衛の為に、俺も一緒に行ってやる♪」
「…やれやれ。仕方ない。リリエル、お前も諦めてくれ。
こればっかりは吾輩の妃として避けて通れない。
有名税のようなものだな。」
「…実際の私を見て、みなさまガッカリされませんかね…(汗)」
俯いて焦っているリリエル
((いや……それどころか……))
同じ思いを抱きながら
目配せし合うイザマーレとウエスターレン
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