top of page

光の冷笑


翌日、イザマーレは魔宮殿に姿を現した。

玉座に座るダンケルに頭を下げる


「天界との外交交渉、つつがなく

完了しました事を御報告致します。

交渉は、無事成功。相手方の意向もあり

今後、派遣継続は行わず、お互いに

均衡を保持する事を約束させました。」


「ご苦労であった。

…ところで報告の義務をお前に任せきりで

リリエルはどうしたのだ?職務怠慢だな」


ダンケルは冷ややかにイザマーレを睨みつけていた


イザマーレはひとつも動じず、応じる

「あいつは今、少し体調を崩しておりまして。

気苦労もあった事と思います。

当初の予定どおり、吾輩もこれから

2週間ほど、休暇をいただきます」


「…よかろう。許可する。

しかしお前も嫁の事となると甘いのだな。

片割れだったはずのダイヤには

散々厳しく躾ているようだが」


さりげなく嫌味を言うダンケルに、イザマーレは微笑み返す。


「申し訳ありません。しかし、当然でしょう。

あいつに背負わせた心の傷は、計り知れないのですから。

それでは、失礼致します」


魔法陣で立ち去るイザマーレ




閲覧数:0回0件のコメント

最新記事

すべて表示

赤の最後通告

リリエルたちと別れ、 文化局にダイヤとウエスターレンを連れて戻ってきたベルデ。 「どうぞ、椅子に座って。」 ベルデに促され、腰掛けるダイヤは涙を流していた ウエスターレンはその横で佇み、煙草に火をつける 本来なら禁煙だが、注意することは諦めているベルデ...

秘密と宣告

イザマーレの放つ気配を頼りに、ほんの数分歩いたところで 目的地にたどり着いた。 「…なんだ、何てことはない、元老院の裏庭じゃない。」 ベルデはやや肩透かしだった だがそこに、イザマーレが待ち構えていた。 それだけで、この空間がとても厳かなオーラに満ちていた...

散歩道

数日後。 朝の家事を終わらせたリリエル。 「さて。ダイヤ様にお会いしたいけど、どうしよう……」 そこへ、ウエスターレンがやってくる。 「俺が飛ばしてやろうか?あの場所へは俺も一緒に行ってやる」 「キャー(≧∇≦)、ありがとうございます♪ それでは閣下、行ってまいりますね」...

Comments


bottom of page