ウエスターレンに抱きついたままのバサラを
イザマーレは片手で払い飛ばした
投げ飛ばされたバサラは、かろうじて受け身を取ったが
あまりのことに固まる
僅かに残る理性がある内に……
「すまない、ウエスターレン。
しばらくお前を可愛がることができない
お前のぬくもりが恋しくなる前に、喰わせて貰うぞ」
バサラの目の前にも関わらず、
ウエスターレンに近づき口唇を合わせる。
「っ……イザマーレ?」
ウエスターレンはイザマーレの様子に気付き
落ち着かせようと自分の腕を引き裂いて血を飲ませた
貪るように飲むイザマーレだったが…全く収まる気配がなかった。
なんとか抑え込もうと必死にイザマーレに寄り添うが
気が遠くなりかけたウエスターレンはリリエルを呼んだ
だが…少しだけ理性が残っていたイザマーレは、
リリエルを見た途端に突如姿を消してしまった。
「!閣下…まさか……」
ウエスターレンはリリエルを見て、頷く。
「……っ」
ついに恐れていた事が起きてしまったのだ。
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