翌日、ダイヤはイザマーレの屋敷に裕子を連れて行った。
リリエルはダイヤ達にお茶を淹れて
微笑みながらイザマーレの横に座る
「ダイヤから話は聞いてるが、改めて名前を聞こうか?」
イザマーレはお茶を飲みながら聞いた
「大津 裕子です」
緊張しているのか、裕子の声が震えている
「魔界に魅力を感じた、との事だが。」
イザマーレは裕子を見て言った。
「なっちゃんの結婚式で初めて魔界に招待された時から
強く思うようになりました。
私もこの世界で生きていきたいと…
イザマーレ様…私もこの魔界に住ませて下さい」
裕子は頭を下げて言った。
「魔界と人間界では、常識だと思われている事が異なる。
甘い世界ではない。だが、あまり気負わず楽しめばいい。
困ったことがあれば、リリエルに相談しろ。」
裕子の目を見てイザマーレは言った。
「はい…ありがとうございます。」
裕子はしっかりと返事をした。
「一つだけ、肝に銘じてもらわねばならない事がある。
人間が魔界に滞在できる時間には限りがある。
必ず、時間内に人間界に戻る事。これを約束してくれ。
守らなければ、命を落とすことになるからな。」
「!……そうなんですね?
定期的に人間界に戻れば、魔界に住むことも可能なんですか?」
イザマーレの言葉に驚くが、確認のため疑問を投げかける裕子
(どちらかと言うと、リリエルに似たしっかり者…といったところか)
「まぁ、ダイヤと違って甘ったれではなさそうだな(笑)
ダイヤの事はお前に頼んだぞ」
イザマーレは笑顔になって裕子を見つめた
「…甘ったれって…」
裕子の横で聞いていたダイヤは、ひきつっている
イザマーレはニヤニヤしている
「本当の事を言ったまでだ。実際に甘ったれだろ?」
イザマーレの話を聞いていた裕子は…
「…なっちゃん…昔からそうかも…魔界でも変わってないんだね…」
裕子からの思わぬ切り返しに、ダイヤは撃沈していた
「まぁまぁ…閣下も裕子さんも…(汗)
あんまりダイヤ様を虐めないで下さいな♪
裕子さん、これから私とも仲良くしてくださいね!」
にこにこ微笑むリリエルに、裕子も笑顔でお辞儀をする
「リリエル様…実は憧れてました!
是非、たくさんお話聞かせてくださいね♪」
嬉しそうなリリエルの髪を撫でて、微笑むイザマーレ
…そしてイザマーレはニヤニヤしながらダイヤをいじり倒す
「大事な忠告にさえ耳を貸さず、
最後に泣きついた甘ったれが、どこかにいたな?」
その話を聞いた裕子は飽きれ顔
「なっちゃん…今日は反省会だな!」
裕子はダイヤの肩に手を置き、ため息をつく
「でも、ダイヤ様の良いところもいっぱいあるんですよ~!」
リリエルは撃沈したままのダイヤをかばい、ギュッと抱きしめる。
「り…リリエル様ぁぁ(感涙)」
ダイヤはリリエルに泣きつき、
リリエルはダイヤの肩をぽんぽんしながら慰めていた
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