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光の誓い


泣き続けるリリエルを、抱きしめて微笑むイザマーレ。


「お前の気持ちに対する答えを伝えていなかったな。リリエル。

よく聞けよ。吾輩が己の生涯で愛している女は、

リリエル、お前だけだ。今も昔も。」


「!!!////////」


「嘘だと思うのか?」


「だって…私とダイヤ様が合わさることで

元のLilyel様なのですよね?」


「じゃあリリエル。お前の中で

吾輩との記憶で思い出せない事があるか?」


「…ないです………」


「そうだろ?花から女に変わり、吾輩を慰めたのはお前だ。

その証拠に、お前はその花の名前を娘に授けていた。

記憶を失くしても、吾輩に対する愛を失わなかった

そんな女は、お前以外にいない」


「…!」




 

「お前は今でも、あーいう事があったら陛下に楯突くだろうし、

天界にも行っただろ?

吾輩の事になると、相手が誰であろうと見境なくすのは

つい先日もどこかで見かけたぞ?

お前の恐れているLilyel様とやらは、

誰かさんにそっくりだと思わないか?(笑)」


「//////」


「分かったか?お前が唯一、嫉妬を抱く相手が

お前自身だとはな。それでは、他のどんな相手も

お前にとってはとるに足らない存在に違いないな(笑)」



「…閣下……」

ようやく、理解したリリエル。


「それで?お前の全てで吾輩を愛してくれるんじゃなかったのか?」


微笑みかけるイザマーレに抱きつき

顔を赤く染めながら、恥ずかしそうに俯くリリエル


「///お慕いしております、閣下…リリエルは…っ」

言いかけたリリエルの口唇を塞ぐ。


そしてリリエルの服を脱がせていく。

ベッドに横たえ、見つめ合う。


「永遠にお前の傍にいる。

いつまでも愛の魔法に酔わせてくれ。良いな…」


優しく口唇を合わせ、お互いの舌を絡ませる。

首筋、胸元に舌を這わせ、蕾を転がす

全身に赤い刻印をつけていく

濡れている入口に指をあて、甘い蜜を舐め尽くす

快感に身体を捩らせ、震わせながら

何度も果てても許さず、リリエルを味わい尽くす

そのまま全身を隈なく愛撫し、愛し続ける……




 


何度目かが終わり、

イザマーレの腕の中でまどろみ始めたリリエル


「だけど…」


「?」


「今、同じようなことが起きたとして、

私はやはり天界には行けないような気がします…(汗)

それに、私から切り離したダイヤ様もいらっしゃいます。

かつての私と、今の私では、

やはり足りないところがあるのでは…?」


「そうか、切り離したと言ったから誤解したんだな?

お前から切り離したのは、天界で起こった事件のせいで

増幅されたお前の感情の一部に過ぎない。

他人を憎む心、悲しみの記憶、それはお前には似合わない。

それらを切り離し、強さに切り替えたのだ。

それがダイヤの一部に今もある。

だが、元々お前の中にある感情はそのまま残っているし、

切り替えた強さと、吾輩の愛がお前には加わっている。

お前に足りないものなど何一つないだろ?」


「//////!!」


「そのおかげで、大切なものを守るために

踏みとどまる強さが、お前に備わったんだ。

お前がダイヤを求め続けた理由は、

その強さを欲したからに違いない。」


「それではダイヤ様は…」


「…事件の後、少しの間お前の魂に寄り添った事で

お前の感情に感化されたのだろう。

吾輩に対する愛情の記憶の断片がダイヤの中に居続けている。

だから未だに吾輩に対する思いに囚われているようだな。

あいつを暴走させているのは、あいつの中にある、お前の記憶だ」



 

「!」


「…記憶を失くしても、吾輩へ愛を寄せ続けた

誰かさんの気持ちは、相当強いものなんだろうな」

そう言いながら、リリエルの髪を撫でるイザマーレ。


「ダイヤの中にいるリリエルの記憶が、

寂しがり、吾輩に助けを求めてくるのだ

だが、本来のあいつ自身は、素直に陛下を愛しているはずだ

記憶に残るお前の幻影に惑わされず、

ダイヤ自身が強くなれば、その迷いもなくなる

だから、厳しく鍛えてきたつもりだったんだが。」


「…私は、いつも閣下が、私ではない誰かを探していると

思っておりました。」


「それは記憶を失っていたお前自身だ。もう分かったな?」


「はい。だけど、私とダイヤ様が揃わなければ、

Lilyel様になれないのだと思い込み、手放せずにおりました…」


「幻影とはいえ、ダイヤに残り続けるリリエルを救ってやりたくて、

吾輩も守り続けていた。だが……」





「リリエル。そろそろダイヤを解放してやらないか?」




 

「……閣下……」


「ダイヤの中にあるのは、お前の魂ではない。

記憶の断片だ。その記憶を消せばいい。

あるいは、あいつ自身が立ち上がる力をつけて陛下と落ち着けば

ダイヤの中にあるリリエルの記憶は自然に消えていくはずだ」


「……」


「どちらにしても、今後あいつに何かあっても

吾輩はもう助けない。それでいいか?」


「…このまま時に任せても、

解放に向かう可能性はあるのですね?でしたら……」


「お前が言うなら、構わないが……」


「はい♪リリエルのお願いです…よろしいですか?」


「仕方ないな。その代わり、報酬はもらうぞ?」


「…はい♪リリエルは永遠に、閣下のお傍に……」


お互いに見つめ合い、微笑み返す。

そして、愛し合う。心ゆくまで時間をかけて……



運命に翻弄されても

途絶えることのないリリエルとイザマーレの愛の魔法は、

永遠に解けない……





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