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愛の行方


かつて魔界がゼウスの襲撃に立ち向かえない時代があった。

先代の大魔王陛下が消滅しそうな時にゼウスが襲ってきた。

危うくダンケルが囚われそうになった時、イザマーレがダンケルを守り

ゼウスに囚えられ、ヨッツンハイムに閉じ込められる前…


イザマーレには、永遠を誓い妻とする魔界の女性がいた。

彼女はイザマーレをこよなく愛し、死ぬ時も一緒にと

いつも微笑み愛を語っていた


しかしイザマーレがゼウスに囚われた…

イザマーレの犠牲、さらにダンケルが即位することで魔界は安定した。

イザマーレが不在の間、ダンケルを支えていたのはウエスターレンとベルデ。

何度も彼女はダンケルの元に訪ね、

イザマーレを助け出す方法はないものかと泣きながら訴えていた。

しかしダンケルは即位したばかり…

まだ先代が消滅していない為、思うように動く事も出来なかった。


彼女はダンケルの事情もよく分かっていた

訴えてダンケルに頼んでも無理な願いだと…

忠誠を誓ったイザマーレを助け、安定していない魔界が崩れたら…

絶対にイザマーレは自身を責めるだろう…


彼女はそのうちにダンケルの元に通い詰めるのは止めてしまった。

これ以上ダンケルを苦しめる事はイザマーレを苦しませるのと同じ事…


そして彼女の取った行動は…

天界の敵地に行き自分の命を引き換えに、

イザマーレをヨッツンハイムから救出させる事だった。


なんとか天界に行ったもの

ゼウスはイザマーレの妻である彼女を見て一目惚れしてしまい

『イザマーレを出させたければ私の側室に入れ』と言い放った。

そして契約書まで出してきた。



 

彼女は、嘘だ!絶対無理だと思い詰めたが…

イザマーレを1日も早く救出させるためにはその方法しか見つからなかった。


ゼウスの甘い言葉に苦虫を噛み潰したような気持ちになりながら

話に乗るしかなかった。



屈辱に耐え契約したものの、一向にイザマーレは出てこれず

挙げ句には、イザマーレの中にあった全ての感情を切り離された事を知った

悔しさ、憤り、そしてイザマーレに対する溢れる思い

彼女は最期にゼウスを襲い死に物狂いにゼウスを殺そうとしたが…

女一名では手足も出ず、彼女も囚われ身となり処刑され、人間界に捨てられた。

イザマーレの記憶も消され、人間として生まれ変わった。


それがリリエルだった


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