森の文化局…
人間界に一時戻りするため、ベルデの元を訪れていた裕子
「今回も、お疲れだったね。ゆっくり羽をのばしておいでね。」
ベルデはおだやかに、裕子を出迎えた
いつの間にか勝手を覚えた裕子が、必ずお茶を淹れ
のんびりとした時間を過ごすようになっていた
「…それにしても、
イザマーレのやる事と言ったら、毎回驚かされるよね
今回、急遽黒ミサを開催することにしたのは、
リリエルちゃんの悩みを救うため
雷帝妃に会わせてあげるのが、魂胆だったんだ…」
「最後の最後まで、リリエル様には内緒で。
閣下って本当に、やる事なす事、
すべてスケールが違いますね(笑)」
裕子も頷いて、静かに微笑む
「…それと、君の事もあったと思うよ。
イザマーレは、ずっと君の事を
リリエルちゃんに伝えたくて仕方なかったんだから…ふふ」
ベルデも笑いながら、お茶を飲む
「閣下と長官……あの2魔様の絆って、凄いですね。
なんか、感動しちゃいました…」
「そうだね。それは君だけじゃなく、
恐らくこの世に生まれた全ての命が願い続ける夢。
僕は、その夢の奇蹟をずっと見せてもらってる。
…ありがたいよ。」
深いまなざしで、感慨深げに呟くベルデ
「…和尚?あの……もしかして
和尚って、長官の事が好きなんじゃ……」
「…!え……」
驚いて顔を上げたベルデ。
いつの間にか、裕子はすぐ傍に立っていた
そして…
……思わず固まるベルデの頬にフワッとした感覚
真っ赤な顔で、裕子は離れた
「……」
石のように動かなくなってしまったベルデに
裕子は俯きがちに微笑んだ
「…あ、あああの…じ、じゃあ、行ってまいりますっ……/////」
急に、自らの行為で
顔から火が出そうになるくらい恥ずかしくなり
慌てて立ち去る裕子
数時間後
固まり続けた、角の生えた悪魔は、ようやく重い腰を上げた
(……/////…もう……)
ドキドキし過ぎて、
自身の魔術を誤作動させないようにするのが
精一杯だった
(…知らないからね、どこかに影響しちゃってても……/////)
もしも困ったことになったら、
イザマーレたちに何とかしてもらおう…
そう思いつき、ようやく落ち着きを取り戻した
人間界の部屋に帰った裕子。
なぜか、いつも以上に周りの声が大きく聞こえる……
「??」
少し不思議に思いながら、ベルデに少しだけ近づけた事に興奮し、
眠れない夜を過ごしていた……
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