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絆の事情


わずかの逢瀬でもイザマーレへの想いがこみ上げるダイヤ。

毎回イザマーレがリリエルの元へ向かうのは仕方ない事、

そう思っていても、欲望を抑えることができない


人間界でイザマーレとリリエルのやり取りを見届け

ウエスターレンは魔界の屋敷に戻るが

いつまでも落ち込み、クヨクヨしてばかりのダイヤが鬱陶しく

ダンケルの元へ強制連行していた


そして、リリエルとの時間を終え

魔界に戻ったイザマーレを慰め愛し合う


その時間に決まって邪魔をするダイヤには

ウエスターレンも辟易していた


「ダイヤの奴、何も分かってないで未だにウダウダしてるよな

お前も本当なら、一秒でも長くリリエルの傍に居たいだろうに」


「…リリエルのおねだりだからな。

下手に誤魔化そうとしても、リリエルには通用しない。

その事で悪戯に時間を消費するのも、惜しくてな。」


イザマーレを胸に抱き、寄り添いながら

そんな会話を何度繰り返したことか……


「毎回律儀にダンケルのやつに頭を下げて

迎えに行くお前の辛さなど、あいつら何も分かってないぞ?」


「…あいつを人間界に戻すためだからな、仕方あるまい」


「まあ、どうせ正しく伝えたところで

素直に言う事聞く奴じゃないしな

イザマーレ…大丈夫か?嫌な事はサッサと済ませてこい。

その後、たっぷり可愛がってやるから…な?」


ウエスターレンはもう一度イザマーレと口唇を重ね、送り出してやる。




 

「…やれやれ、じゃ、迎えに行ってくる」


ウエスターレンの前でため息を零し

屋敷から一歩外に出れば、気持ちを切り替えて、

怒髪天に大悪魔のオーラを纏い

足早に魔宮殿に向かうイザマーレ



さらなる衝撃は、この直後に起こる





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