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緑の企み


楽しかった旅も終わり…

数日後、全構成員とLily‘sのメンバーが

イザマーレの屋敷に集まっていた


ビデオ鑑賞会に……


魔界に留守番していたベルデが

魔水晶を駆使して、こっそり旅の様子を撮っていたのだ


「楽しかったようだね~」

ベルデがニコニコ微笑む


「…こんなもの、いつの間に撮ってたんだ?」

ひきつってウエスターレンがビデオを見ながら呟いた


「もしかして…夜の事心配しているの?」

細目でベルデはイザマーレを見ながら聞いた


イザマーレはいつものように高貴な気品を纏いながら

素知らぬ顔で座っている


「結界貼ってたでしょ?さすがにその場面は撮れなかったけどね」

ベルデの話にリリエルはキョトンと首をかしげていた


「…セーフ…」

ダイヤはニマニマ笑って呟いていた


「でもダイヤちゃんとダンケルの方も結構な結界貼ってたよね~

ダンケルが気が付いて水晶割ろうと睨んでたよ…その後すぐまた

強力な結界貼っちゃってたし…」

フフフ…とベルデは笑っていたが…




 

「…陛下この場に居なくって正解…」


ダンケルは公務の用事でビデオ観覧会には来ていなかった。

ちょっとダイヤも寂しい気はしたがベルデが言った言葉…

ダンケルが聞いたらどうなったか想像すると末恐ろしい…。



上映中のビデオは

泥酔いのリリエルが服を脱ぎ始め、

ダイヤが慌てて止めている場面になった


素知らぬ振りをしていたイザマーレが焦り始めた。

リリエルは全く覚えていなかったので、かなりの衝撃で

真っ赤になり撃沈していた


「こ、これは!サムちゃん…リリエルちゃんに飲ませすぎじゃない?」

ラァードルが苦笑いしながらイザマーレに言った


「だ、誰かが!リリエルを貶めて飲ませたんだよな?ダイヤ!!」

イザマーレはいきなりダイヤに振った


「は??何がですの?」


ダイヤの手元にはリリエルとイザマーレの写真。

写真を眺めてる最中に、突然話を振られたので聞いてなかった


「『は?』じゃない!吾輩の話、聞いてなかったのか!?」


焦っているイザマーレを見て不思議に思ったが

ダイヤはビデオを見て笑った


「あぁ!はい、はい。誰かさんが含み笑いしながら

飲ませてましたよね~バッチリ映ってますよね~www

一番傍に居た方2魔でwww」




 

さすがにイザマーレも言い返せず、睨み返していた…


(この野郎…記憶を書き換えてやろうか!!)


しかし…ビデオを観ているうちに…


「あ~!ダイヤちゃん陛下に抱き抱えられ消えたぁぁ!

何しに行ったのかなぁ?」

セリーヌがニヤニヤしながら言った


「お前も吾輩の事は言えないな♪

陛下に何て言って抱き抱えられたんだろうなぁ?」

リリエルと同じく撃沈しているダイヤの頭を

ポンポン撫でて、ニヤニヤしている



「これ…魔界中に出回ったら大変だよね~

リリエルちゃん、人気者だから~」

ベルデがニヤニヤしてイザマーレに言った


「そんなもん、情報局権限で全て差し止めてやる!」

ウエスターレンはムッとしながら言った。


(…リリエルとイザマーレのラブラブを見るのは俺様だけでいい…)


「でもさあ、イザマーレ、これ欲しいんじゃない?可愛いよね~」

既にCD化にしているRomをちらつかせるベルデ。


「Σ(//∇//)」

思わずCDを手にして満面な笑みを見せるイザマーレ


「これあげるから…今度は僕達が旅に出たい。いいでしょ?」


「…仕方ないな。陛下への許可は任せておけ」

咳払いしながらイザマーレが呟く


ベルデとラァードルはハイタッチした。


そしてビデオ上映会は終わり…


ベルデの隠し撮りした写真を見て、思い出話に花を咲かせた





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