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芯の確信


一方、これまでのやり取りに圧倒され、

青ざめていた裕子を気にかけ、リリエルは屋敷に招いていた


差し出されたお茶を、裕子は震える手で飲んでいた


「大丈夫か?さすがに驚いただろうけどな。

隙あらば、日常的に襲ってくるのが悪魔だ。

そうあるべきだと推奨されている世界でもある。」


裕子の目を見て、イザマーレは静かに語り出す


「魔界では、力こそが全て。

降りかかる火の粉を払い落せないのは、やられる方が悪いのだ。

いつまでも自覚なく、甘ったれのままでは

我々も庇いきれない。そろそろダイヤの奴にも

覚悟を持たせる必要があるな」


「その事なんですけど、閣下…」

少し心配そうにしているリリエルを見つめ、

イザマーレは優しく髪を撫でる


「甘ったれな上に、頑固だからな(笑)

魔力をコントロールさせるためのいい訓練になるだろう。

リリエル、心配しなくていいぞ」


「……?」


含みを持たせた2魔のやり取りを不思議に思いながら

裕子は一つだけ確信出来た事があった


確かに残酷なこともある世界だけど……

イザマーレとリリエル、そして最高魔軍の構成員

彼らが居れば、何も心配いらない。そうに違いないと…



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