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花の師匠


事件の数日後、リリエルはイザマーレの髪に乗せられ

プエブロドラドのレストランに訪れた


「いらっしゃいませ。ご注文は?」

いつものように柔和な表情で出迎えるオルド


「オルド先生、こんにちは。えっと…今日はコーヒーだけで…

是非、教えていただきたいことがあって…」


すでにワクワクしているリリエルに微笑みながら

イザマーレに確認する


「そうでしたか。では、イザマーレ様もご一緒でよろしいですか?」

「ああ。構わないよ。よろしく頼む。」


「畏まりました。では、少しお待ちくださいませ。

すぐに戻りますので…」


一旦キッチンへ戻り、2魔分のコーヒーを持って再び姿を現したオルド


「では、失礼いたします」

リリエルの隣の椅子に腰かけ、向き合う

「どうぞ。何でも仰ってください。」


パンケーキを朝食用に出す際の工夫や、

ネコちゃん型の構成員パンケーキを

プエブロドラドのメニューに出来ないか

などの相談をするリリエル


イザマーレの嗜好に合わせたレシピを丁寧に考案し、伝えるオルド

「わあ…素敵(≧∇≦) さすがオルド先生♪ありがとうございます!!」


「クスクス…リリエル様。相変わらずですね。

ですが、私はあくまでも単なる料理魔。副大魔王妃である貴女様に

先生と呼ばれるのは…恐縮です///////」


「え…何を仰るの?オルド先生は私のお師匠様ですもの。

当然じゃないですか♪」


ニコニコしているリリエルにイザマーレも同意する


「そうだな。別に良かろう。オルド、これからも頼んだぞ。」



 

「…畏まりました。イザマーレ様のご指示であれば…

ではリリエル様。早速、いくつか作りこんでみましょうか。」


「はい!お願いします(≧∇≦)あ、そうだ。試作品の味見は

閣下だけでは大変ですよね💦」


「そうだな(苦笑)大丈夫だ。ラァードルには先程、伝えておいたから

間もなく来るだろ。リリエル、頑張れよ♪」


「は~い。じゃ、少しお待ちくださいね♪」

リリエルは笑顔で立ち上がり、オルドと連れ立ってキッチンに入っていく


すれ違いでラァードルとスプネリアが姿を現した

「よ!サムちゃん、お待たせ!」


「付き合わせてすまないな。吾輩だけでは、

どう考えても無理だからな💦」


苦笑しながらも穏やかに出迎えるイザマーレ


「スプネリアに聞いたんだけどさ、ここのシェフの事。

それを元老院の料理魔に言ったら大騒ぎだったよ。

料理魔の中でも憧れるほどらしいね」


「オルドの事か?…まあ、そうかもな。」


「///私もいろいろと教えて貰えたらと思ったのですが、

『それならむしろ、自分たちがお願いしたい』と言われてしまって…💦」


「その内、魔界中の料理魔が押しかけてきそうな勢いだよ(笑)」


そんなやり取りをしている内に、

リリエルとオルドが考案した試作品が大量に出来上がる。


「お待たせしました! どうぞ、召し上がってみてくださいな♪」


「美味しそう♪いただきまーす」


「……これは、お野菜を摺り下ろして練り込んでいるのですか?

朝食にもいいし、身体にもスゴく良さそう……(*^^*)」



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