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花の志願


「ただいま、リリエル」

「…おかえりなさい、閣下♪」


屋敷に戻り、いつものように髪を撫でるイザマーレに

リリエルも抱きついて微笑む


「代官は…ご無事で何よりですね。閣下も、お疲れさまでした」

リリエルの言葉に、微笑むイザマーレ

「覗いていたのか?仕方のない奴め♪」


「…はい。大人しくお留守番の出来ない悪い子です。

ですから…遠慮なくお使いくださいませ。

私がお役に立てるのであれば、決して躊躇わないでくださいね」


ほんわかと、いつもと変わらず

微笑むリリエルを見つめるイザマーレ

静かに引き寄せ、抱きしめる


「…であれば、たまには吾輩から願い出ても良いか?

お前の力が必要だ。よろしく頼むな…」


イザマーレの胸に頬を寄せ、頷くリリエルの髪を優しく撫でながら

一度、瞳を閉じる

数秒後、再び開いたその瞳に、一切の迷いはなかった


「…よし。外野の喧騒については俺に任せろ。」


すべて見届け、紫煙を燻らせるウエスターレンに、リリエルも微笑む


「長官…ありがとうございます♪よろしくお願いしますね」



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