その夜、いつものように
イザマーレとウエスターレンのために
食事の用意をしていたリリエル。
鍋に全ての具を入れて、後は煮込むだけ…
イザマーレはテーブルの設営をしていた
ウエスターレンもワインを選び終わり
そろそろ出来上がってもいい頃だが
一向にリリエルは姿を現さない。
だが、部屋には美味しい香りが漂い始めた。
「リリエル?どうした?……」
イザマーレたちはキッチンを覗き込んだ。
リリエルは、キッチンの横にある椅子に腰かけたまま
眠りこけていた
「ぷっ、珍しいな。」
ウエスターレンは笑って見つめた。
「…ここのところ、眠れてなかったからな。
張りつめていた気が抜けたんだろう…」
イザマーレも微笑み、抱き上げてベッドへ運んでやった。
その日は扉を開けたまま、
リリエルの作った料理を味わうイザマーレとウエスターレン。
「それにしても、やれやれだな。お前も、
今回はかなり暴走しかけてたようだが」
ウエスターレンはイザマーレの髪を撫でた
「…ところでウエスターレン。お前はどうなのだ?」
「ん?何が」
「あの時、お前だけ答えなかったではないか。
ミカエルに言い寄られて、何も思わなかったか?」
「…そうだな、正直よく分からないというのが本音だな。
ミカエルの正体を知った直後でもあったし…」
「切り離したとはいえ、元は吾輩なんだぞ。
リリエルもお前も、全く何も感じないというのも…
複雑な気分だな」
「お前もそうだったろ?ダイヤがリリエルの結晶だと
気づかずに会っていた頃、何にも興味なかっただろ?」
ウエスターレンに言われ、イザマーレも思い出した。
「たしかにな…」
それはそれで、全然面白くないイザマーレである。
「これではまるで、吾輩だけが
焼きもちを妬いてるだけじゃないか…」
イザマーレが可愛くなり、ウエスターレンは抱きしめた。
「少なくとも、お前の焼きもちが嬉しくて仕方ない間は
俺の心は動かんだろうな。リリエルもそうだと思うぞ?
他に目移りしている暇なんかないほど、
お前が好きなんだ。分かるか?」
「!…////////レン…」
ウエスターレンは微笑み、口唇を重ねた。
「本当はこのまま、お前を愛したいが…
夜はリリエルの時間だろ?
夜も眠れないほど震えていたくせに、お前のためなら
いつでもリミッター解除させる。凄いよな。
そんな大事な姫の元へ行ってやれ。」
「…そうだな。でも、あいつは今は眠っている。
今夜はそうっとしてやりたい。だから…レン…」
そのままキスを続け、愛し合う2魔…
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