イザマーレとリリエルの思惑により、悪魔として甦ったダイヤ。
その後、イザマーレたちとは一切会わず、ダンケルとも別れ
孤独ながらも気持ちを新たに、全力で任務にあたっていた。
最高魔軍に対する信仰心はリリエルにも劣らないダイヤだが
対信者となると、うまく伝えられない不器用さが災いし、さらには
必要以上に責任感を背負い込む気質のためか、
自身を徹底的に追い込むまで、休み無く働こうとする。
頑張る割に、成果につながらない日々に疲弊していく。
そんな時、心に浮かぶのはあの頃の日々。
ここにいるのが自分ではなく、リリエルだったとしたら
彼女はどう対処しただろうか。
そして今、こんな自分をどのように見ているだろうか
つい、そんな事を考えてしまうのだ。
副大魔王閣下の公設秘書として働くリリエルは、
魔界全体のトラブル処理全般を任され
魔界の空気は、これまでにないほど安定していた。
いまや、リリエルの評判は、王都内にいればどこでも耳にする。
加えて、彼らへの評判も耳にする。
「副大魔王様はもともと美しく、魅力のある方だけど、
お妃様と一緒にいると、より一層素敵なんだよな。」
「そうそう。ウエスターレン様と3魔で揃ってお出ましになる姿は
絵に描いたようだよな。」
「彼女のためなら、多少の苦労は
買って出てやろうって気になっちゃうんだよな」
「副大魔王様が大事になさるのも、頷けるよな」
心の中で、イザマーレへの気持ちを自覚しているダイヤにとっては
新たな悩みの種でもあった。決して表情には出さないようにしていたが。
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