top of page

闇と薔薇


魔宮殿に飛ばされたダイヤは、

自力でダンケルが居る執務室前に降り立った


「…ふふ~ん!少しはコントロール出来たかな♪

てか…また飛ばされた(^-^;」


大抵は飛ばされ魔宮殿のどこかに落とされる。

気を抜けばそのまま落ちて身体を痛める…。

何度も飛ばされてるから要領はついている。


エマに言われた事が頭から離れなかったが

ダンケルに報告するため、ダイヤは気持ちを切り替え

笑顔で執務室へ入っていった


「陛下。只今帰りました!」


「ご苦労。報告を聞こうか」


ダンケルがペンを置き顔を上げるが、

ダイヤの顔を見るなり心配そうな顔をしている


「???あぁ!!陛下(笑)

閣下とちゃんと打ち合わせしてきましたよ!ご心配なく♪」


心配してるのは報告の事かな?と思いつつも

しっかりとイザマーレと打ち合わせをした内容を伝え、書類も渡した。


ダンケルは書類を目を通し、ダイヤを見て微笑んだ

「ご苦労だったな。完璧だ」


ダンケルの言葉にホッとする。

「任務終了ですね!じゃあ…

お仕事の邪魔になってはいけないので…私はこれにて。

陛下お仕事頑張ってね♪」

ダイヤは頭を下げ部屋を後にしようとした



 

「ダイヤ」

背後からダンケルから声がかかる


「は~い?」

ダイヤは振り返り、笑顔で返事をした


「あと少しで公務の仕事が終わる。私の部屋で待ってろ」

「…了解しました…」


突然の事で驚きながら、ダイヤは頷き

再び頭を下げ部屋を後にした


ダンケルのプライベートルームで

ダイヤはベッドに座り、再びエマの言葉を思い出していた。


いつまでも考える事ではないと思っていても頭から離れない


…ダイヤの悪い癖だった


少し経つとダンケルが姿を現した。ダイヤはすぐさま抱き付いた


「…何かあったのか?無理に笑顔を作っていたのがバレバレだぞ?」

髪を撫でてダイヤを抱きしめるダンケル


「…陛下…あのね…」

ダイヤは、イザマーレの屋敷での出来事を全て話した。

今まで気にしていた『出戻り后』の事も…


話しているうちに涙が溢れる。



黙って聞いていたダンケルは、微笑んでダイヤを見つめた




 

「気にする事はないぞ?ダイヤ。

だがエマなんて、あんな分かりやすい女の何処が怖いんだ?

リリエルの方が数倍怖いぞ!それに…

イザマーレ達はお前の事をとやかく言ってないだろ?

…まぁそんな事言った輩は、即処刑にする。だから気にするな…」


抱き上げベッドに押し倒した


「…陛下…」

目を潤ませてダンケルを見詰めた

「可愛がってやるから…忘れろ」

ダイヤに媚薬を飲ませ、優しく愛撫していく



堪らずに身体を捩らせ、啼く姿がたまらなく愛しい


「いい子だ…もっと聞かせろ…私の為に…」


顔をほのかに赤らめ、快感で啼きながら震えているダイヤ

見つめ合いながら、溢れる密に手をあてがい攻め続け、

何度も果てさせた


事も終わり、ダンケルの腕の中で眠りにつくダイヤを

愛しく見つめながら、思い出していた


まだダイヤが人間だった頃、

ダンケルの傍にいる側近の幹部らに、『嫁にする』と伝えた…


『何を申しておられるのですか!!陛下!!

我々は反対です!人間の女など!

この世界を崩壊させるつもりですか!!』


幹部たちは、ダンケルに向かって反対をしてきた…


そしてその幹部達は更に暴走し始め

ダイヤを亡き者としようと企み、実行寸前で

計画を立てた全ての側近を、ダンケル自ら処刑した




 

今、魔宮殿の使用魔とダンケルの側近は

全てダイヤの味方になる悪魔…


「…気にすることはない…ダイヤ…

私がお前を必要としているのだ…

いつまでも私の闇に咲く、薔薇でいてくれ…」


ダンケルは眠っているダイヤに口唇を重ねた…




閲覧数:0回0件のコメント

最新記事

すべて表示

逃げ惑う花

数週間後、ラドルが懲役を終え、退院したランソフと共に 人間界に降り立ち、エマも人間界の屋敷から時折 衣装魔として行き来をするようになっていた この日も、いつものように 裕子はリリエルを誘い、市場へ買い物に出かけた 市場で出くわした下っ端悪魔は、...

友情の種

数日後、裕子が人間界から戻ってきた。 今までの出来事をダイヤは裕子に話して聞かせた。 「…そんな事があったんだ… なっちゃん…まだ気にしてるでしょ…?」 裕子に言われてダイヤは俯いた 「…ほらぁ!!元気出して!!閣下も陛下もリリエル様も…...

調教

ダイヤを飛ばし、やれやれとため息をつくイザマーレ エマは納得してない顔をしていた。 「…閣下…あんなに叱っても、ダイヤさんはお咎め無しなのですか? 陛下の后だから?私は痛い目にあわされたのに」 エマはムスッとしていた。 イザマーレは含み笑いをしながら剣を出し、エマに向ける...

Comments


bottom of page