top of page

prologue


イザマーレの影に寄り添い、人間特有の泥臭い感情を持ちながら

悪魔に愛され、その髪に座ることを許されたリリエル

彼女とイザマーレの絆の強さは、彼女が人間として生まれる前からのものである。

かつてイザマーレがゼウスに捉えられ、ヨッツンハイムに閉じ込められていた頃

本来イザマーレの中にあった「真心」「愛」「慈しみ」を

神の手によって奪われ、人間界に捨てられた。

その結晶の生まれ変わりがリリエルだ。

2名がお互いに惹かれ合うのは、自然の摂理…


そして、イザマーレに切り離され

産み落とされた存在、それがダイヤだ。

彼女は、イザマーレの中にある「強さ」「決断力」「行動力」

それらの結晶の生まれ変わりであったが、

実はそれらは、悪魔として復活したイザマーレ自らの言霊により

ほとんどイザマーレの中に戻されており

残された彼女は、病という宿業を背負う事になる。

彼に愛される事を夢見ることさえ諦めていた。

それでも、イザマーレの影として生きる事を願い続け、

光り輝くイザマーレの眩さに、焦がれ続けていた。


最初にダイヤを見つけたのはリリエルだった

リリエルは、ダイヤに呼びかける。

「夢の続きを一緒に見よう……」

そして、リリエルの呼びかけでダイヤに気づいたイザマーレも、

より強い言霊で彼女を引き寄せる


イザマーレとリリエルの愛の力で、全てが還る


そして今、ダイヤの首に、悪魔の紋章が輝きを放つ



next                        目録に戻る

閲覧数:5回0件のコメント

最新記事

すべて表示

あてのない日々

「流石だな。でもやっぱり、 お前も少しは寂しいんじゃないか?」 「…そうですね。でもやはり私は、全ての人の悲しみを幸せに変えてくださる 素敵な閣下が好きなのです。いつもお願いばかりで、申し訳ないですけど。」 「…お前にとって最高の王子様という事か。確かにな」...

花盛り

いつも邪魔するダンケルにダイヤという宝を与え、 心置き無く愛し合うイザマーレとウエスターレン。 ダイヤがイザマーレの元に呼ばれる時間は 人間界にあるイザムの屋敷で、 ウエスターレンと共に待つようになったリリエル。 「いや、しかし、やっぱりお前は流石だな」...

花の居ぬ間に

どんなに酷い扱いでも、一度、寄り添われれば その時間はとても優しく、激しく求められる。 ときめく心を抑えられないダイヤ (悪ふざけをすれば、叱ってもらえる。 ひょっとしたら、またお仕置きされるかも… 相手にされないより、ずっとマシ) リリエルが人間界に帰る直前に部屋に訪れ...

Comments


bottom of page