数週間後、いつものように食事の用意をするリリエル。
「お待たせしました~。今日はタケノコの炊き込みご飯です。
どうぞ~♪」
「おっ、いい香りだな」
ご満悦のイザマーレと一緒に食卓についたウエスターレンは
その幸せを噛み締める
「やっとお前の手料理が食べれる。ここ数週間、ずっと
ろくなものを食べれなかったからな(笑)」
「御迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。長官……
どうぞ、たくさん召し上がってくださいね」
「いいんだよ。お前に笑顔が戻って、俺も安心したぞ」
「…長官から見ても、私とLilyel様は同じですか…?」
少し俯きながら訊ねるリリエル。
どうしても、確かめたかったのだ。
「そうだな。俺が知っている限りでは、全く同じに感じるぞ
ただ…イザマーレに出会ったのは、俺よりLilyelの方が早かったからな
お前とイザマーレが出会った場所は、俺も知らないんだ」
「!……そうなんですか?」
リリエルとウエスターレンのやりとりを聞いていたイザマーレは
さらに秘密を打ち明ける。
「…花のお前を屋敷に連れ帰った後、共に歌う喜びを知った。
だが…花ではない誰かを求めて、次の日も同じ場所で歌っていたのだ。
ウエスターレンが吾輩の歌にギターを合わせてくれたのは、その時だった。」
「!……そうなのか。リリエル、分かるか?その場所……」
「…ええ……
かつて、副大魔王様の執務室があった、
魔宮殿に隣接する元老院の建物の裏庭……でした」
リリエルの言葉に、驚いたウエスターレン。
「間違いない。俺がイザマーレに出会った場所と全く同じだ…」
ウエスターレンの言葉に、ようやく確信が持てたリリエルは
言葉が出ず、涙を流しながら頷くしかなかった…
「吾輩に、ウエスターレンと出会わせてくれたのも、お前だ。リリエル。」
リリエルの髪を撫で、微笑みかけるイザマーレ。
「これで安心したか?ちょうどいい。ダイヤに伝えるのも、
あの場所にしよう。どうだ?」
「…はい。よろしくお願いします。あ、お茶をお持ちしますね♪」
リリエルはようやく笑顔を取り戻した。
そんなリリエルの様子に安堵して
ため息をつくイザマーレとウエスターレン。
「ダイヤといえば、ダンケルのやつ、ようやく本気になったらしいな」
情報局で仕入れた噂話をし始めたウエスターレン。
「ふっ…(笑)」
イザマーレは何も言わず、含み笑いをしながら、
リリエルの淹れた茶を飲んでいた
2魔の会話を聞いていたリリエル。
「…本気って……?…いいなぁ……」
キョトンとしながら呟くリリエルの言葉に、お茶を吹き出す2魔。
「り…リリエル…勘弁してくれ(笑)」
堪えきれず笑い出すウエスターレン。
「?」
「お前はそんな事、覚えなくていい。
悪い子は、お仕置きするぞ?」
「えっ…//////」
慌てるリリエルを抱き上げ
プライベートルームに向かうイザマーレ。
程なく、扉は消されたのである
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