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パターンB


「では…その通りになさいますか?」


「!!」

リリエルの思わぬ切り返しに、驚愕して言葉を失うイザマーレ


「たとえ、ラオさんからのアドバイスとはいえ、

それを仰ったのは閣下です。それが閣下の御意思なんですね?

リリエルは悲しいです……閣下」


少し寂しそうな表情を浮かべ、俯くリリエルを慌てて抱きしめる


「リリエル、すまなかった。ラオさんがあまりにも進めてくるから💦

吾輩も、もっとお前と愛を深めたかっただけなのだ……」


不安を隠しきれず、強く抱きしめてくるイザマーレ

イザマーレの孤独を感じて、リリエルは涙が止まらなくなる


「閣下…リリエルは…///////」

言いかけたリリエルをその場で押し倒す


「頼む、何も言わないでくれ…」


「…心配なさらないで。リリエルはいつもお傍におります。

嫌と言われても、言う事聞きません。悪い子ですから…

お仕置きを受けます。閣下…」


そのまま、気を失うまで愛し合う



 

どうにか繋ぎ止めることができて

ホッとしながらも、自身の不甲斐なさに落ち込むイザマーレ


腕の中で眠るリリエルをひとしきり見つめ

一度扉を開けて、そっと部屋を出ていく


思った通り、その場に控えていたウエスターレンにも

恥ずかしさで目を合わせられずにいるイザマーレ


だがウエスターレンは、そんなイザマーレを抱きしめ

優しく語りかける


「イザマーレ、おいで…今回は、ギリギリセーフだな。

大丈夫だ。お前の気持ちが分からないリリエルではないからな」


そんな2魔のやり取りを、そっと聞いていたリリエルは

改めて、怒りが湧き上がるのを感じた


(そうだよな、リリエル♪)


同じように、腹わたが煮えくり返っていたウエスターレンが

不敵な笑みを浮かべ、邪眼を通して狙いを定めた


人間界で、何食わぬ顔をして過ごすラオに…


魔宮殿では、屋敷から解き放たれた途轍もない怒りの波動に

驚いたベルデが、慌ててダンケルの元に訪れていた


「おいおい…今回はイザマーレのオーラが弱いからまだ良いけど…

堪えてくれないかな💦ウエスターレンもリリエルちゃんも…💦」


「無茶な事を言うな💦イザマーレの事だぞ!

あいつらが躊躇などするわけなかろう💦

ベルデ!すぐに構成員を集めろ!総動員してでも

抑え込めるかどうか…💦」


慌てるダンケルとベルデの様子を、不思議そうに眺めているダイヤ




 

表向きには平穏に時間は過ぎ去り、また人間界に水曜日が訪れた


いつものように、生出演するイザマーレのお供で

テレビ局の楽屋に待機していたリリエル


ある目的を持つリリエルの髪は、常にユラユラと揺れている

もちろん、その手には自分の種を隠し持っている


そんなイザマーレとリリエルを迎えに行くため、

不気味なほどの沈黙を保ちながら、準備をしていたウエスターレン

その身体から放たれるオーラで、あちこちに炎が燃え盛る


そんなウエスターレンを遠巻きに見張りながら、

水の力でなんとか消火させていくバサラ


「どう見ても、リミッター外れてるじゃん💦

あんなの、誰が抑え込めるのよ!

閣下もリリエルちゃんも…💦頼むよ、本当に…」


巻き添えだけは御免だと、ぶつぶつ呟きながら

水を撒いて事なきを得るのが精一杯なバサラ


そんな様子を見かねたダンケルが声をかける


「ウエスターレン、たまには私と過ごそう💦」


「はあ?💢💢💢なんでお前と……」


「イザマーレたちの迎えなら、心配いらない。

構成員を向かわせたからな。

会場に、後からあいつらも来るだろう。

お前も設営を手伝え、良いな」


「…💢💢💢 分かったよ!」

渋々了承するウエスターレン




 

一方、リリエルのいる楽屋に、思わぬ珍客が現れた

「よ~お、リリエルちゃん。お疲れさんだね♪」


「あら?殿下に代官まで♪どうなさったんですか?」


いつもの笑顔に戻り、出迎えるリリエル

だが、ラオの動く気配を察するだけで、強烈な睨みをきかせる


「り、リリエルちゃん…💦あのね、今日は魔界に戻ったら

すぐ元老院においでよ。サムちゃんも一緒に…ね?」


「うんうん、陛下がね、閣下の日頃の激務を労うって仰られてね

みんな魔宮殿にとりあえず集合するようにって言われたじゃんね💦」


「陛下が?まあ、お珍しい事。では、仕方ありませんね。」


そこへ、収録を終えたイザマーレが戻ってきて

扉を開け放ったまま、リリエルを抱きしめる


「待たせたな、リリエル」

「閣下…お疲れさまでした♪」


いつものように微笑んで抱きつくリリエルの髪を

優しく撫でるイザマーレ


「閣下、今日はこの後の公務はお休みになりました。

陛下が何やら企んでらっしゃるようですよ?(´∀`*)ウフフ」


「そうか。ならば、一緒に行こうな。だがその前に…」


そのまま楽屋口の扉を消す


一部始終を見届け、呆れつつもホッとし、

人間にバレないよう、偽物の扉を作り出して

周囲の人間にニコニコと愛想をふりまくセルダとラァードル




 

楽屋口の扉が消える寸前、リリエルと口唇を重ねるイザマーレを

いつものように隠れていた場所から悔しそうに見ていたラオ


数時間後


支度を整えたイザマーレとリリエルが姿を現すまで

その場に隠れて待機していたが、何食わぬ顔で近づき、

笑顔を振りまく


「…結局、より仲良くなれましたね?僕のお陰で」


そう言いながら、舌打ちをするラオ……




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おまけ

「リリエル…吾輩はお前とは別れる」 生放送の収録を終えて、屋敷に戻ってきたイザマーレに 突然告げられた、別れの言葉 「………」 衝撃で何も考えられなくなったリリエル ほんの数分前には、いつものように優しく髪を撫でてくれて 同じように抱きついて甘えさせてもらった…はずなのに...

どうなる? B

「お2魔様とも楽しそうですね… 私は別に花に戻っても構わないので…この辺で失礼します」 リリエルは冷めた目で見ながら言った 「「花に戻るって…許さん!」」 ダイヤとイザマーレが声を揃えて言うと、 益々冷めた目で、リリエルはイザマーレを見る。...

どうなる? A

「馬鹿もの!リリエルは誰にも渡さん!」 「何を❗️悲しませといて💢💢💢」 ダイヤとイザマーレのやり取りを、 静かに眺めていたリリエルは 立ち上がり、部屋を出ていこうとする 「ダイヤ様と閣下、楽しそうね💕じゃ、私はこれで」 「「コラー💢💢💢」」...

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