ひとつのベッドの扉が開き、1魔の女子生徒が出てきた
「…ありがとうございました♪」
心なしか、肌が艶々になり、
顔をほんのり赤らめてイザムにお礼を言う
「あまり、溜め込むなよ。
辛くなったら、いつでも校長に言いなさい。分かったな?」
「///////はい…リリエル先生、ありがとうございました。」
女子生徒はしきりに恐縮して、リリエルにお辞儀をする
「ムーラン様、良かったね。また、いつでも来てくださいね♪」
リリエルはムーランの手を握り、微笑みながら見送った
今日の回診も、ようやく一区切り…
「イザム先生、お疲れさまでした♪」
リリエルはお茶を淹れながら微笑みかける
「ありがとう、いただくよ」
白衣を着こなし、丸椅子に腰かけながら、
リリエルの淹れたお茶を嗜むイザム
「イザマーレ、今ので最後だ。
この後は体育があるからな。しばらくは時間が空くだろう」
廊下で人海を捌き続けたウエスターレンが中に入ってきた
「あ、ウエスターレン様♪お疲れ様です。いつもすみません。」
リリエルはウエスターレンにも微笑みかけ、お茶を差し出す
屋敷での共同生活も数か月…今ではウエスターレンにもすっかり心を開き
イザマーレに次ぐ大事な存在になっていた
「いいんだよ。これが俺の仕事だからな♪
しかし、お前は流石だな。よくこんな事を思いついたもんだ。
今では学園一の人気イベントじゃないか。」
ウエスターレンもリリエルの髪を撫で、笑顔で答える
「…さて。少し時間が空くようなら、休ませてもらおうか。
リリエル、おいで」
「あ…はい////ウエスターレン様とじゃなくて
よろしいのですか?」
「(笑)構わない。そこまで疲れてはいないからな。
ウエスターレンとは、また屋敷でな♪」
イザム先生による回診…
内容によっては、物凄く体力と魔力を消耗する
回復の意味も込めて、必ず休息の時間を設ける
そこそこの疲労であれば、リリエルに寄り添い
限界に近い時にはウエスターレンに寄り添われる…
そんなわけで、
保健室のベッド稼働率はいつでも百パーセント
イザム自身が使う間はその扉も消され、
保健室への立ち入りも禁止される
3魔だけの、聖域が作り上げられていた
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