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ベルデの推察


「おゃ?いらっしゃい」

ベルデは笑顔でイザマーレを迎えた

イザマーレは屋敷に帰らずベルデの屋敷に行った

「……」

黙って俯いているイザマーレ


「…少し前にダンケルの波動があったけど…何かあったの?」

ベルデは気が付いていた


「陛下がダイヤを嫁にした」

「…はい???嫁ー!?」

驚いてベルデはお茶をこぼした。

焦ってテーブルを拭きつつイザマーレを見た



 

「ダイヤから忠誠契約も解約してくれと言われた」

淡々と語るが、落ち込んでいるように見えた


「何があったの?一体…

あのダイヤちゃんが契約を破棄しろって言うなんて

相当な事じゃないの?君の事が大好きなのに…」


イザマーレは今までの事を全て話した。

ウエスターレンとリリエル各3名で

お楽しみの時はダンケルの元へ送った事、

そしてダンケルを怒らせた事等々…


「……扱い雑だわ…忠誠心誓ったのは分かるけど…

女性の扱い方じゃないよね…」

ベルデはため息をついた


「…で?ダイヤちゃんが耐えられないから契約解約してくれと…」

「そうだ。ダイヤと話がしたかったのだが、陛下がブチ切れた」

「…ふう~ん…で、あの波動って事…」

「……」


ベルデはため息を付いた

「…君はどうしたいの?契約は多分ダンケルに解約される。

ダンケルに近寄るなと言われたら君は従うしかないよね?

ウエスターレンが上から目線で言っても、

ダンケルは渡さないと思うよ?嫁にしたんだから…

手遅れかもね…突き放す訳じゃないけど…

リリエルちゃんに頼んでも正直無理だと思う。

ダンケルが冷酷になったら僕にも止められない。」

「……」


「ダイヤちゃんも大切と言って、

分かって貰うように話すのか、手放すのか…

決めてからじゃないと…ちょっとやり過ぎたみたいだね……。

でも良いんじゃない?手放しても…

ウエスターレンもリリエルちゃんも居るし…

1名欠けたって大した事ないでしょ?」


慰めるように言ったベルデだが、イザマーレは何故か納得出来なかった




 

屋敷に戻るとウエスターレンが迎えた

「おかえり…あれ?ダイヤはどうした?」

「誰だそいつ。ダイヤ?吾輩は知らんな、そんな女は」

イラッとしながらイザマーレは言った。


ダンケルだな…

あの野郎、イザマーレに何しやがった…


「…イザマーレちょっと出掛けて来る。1名で大丈夫か?」

ウエスターレンは心配そうに言った

「…大丈夫だ。」

優しく口唇を合わせウエスターレンは出掛けた…ダンケルの元へ…



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