悪魔に見守られているという自覚はなく、
普通に人間として生活を送るリリエル。
やがて、生涯の伴侶となる相手に出会い、結ばれる。
リリエルの幸せを願いつつも
他の誰かに愛されるリリエルを見るのは殊更辛く
一時は傷心の旅に出ていたイザマーレ。
だが、不幸な人生よりは、誰かに愛される人生を送るべきであり
結ばれた相手を通じて、リリエルの笑顔を見ることができる
人間としての短い生を終えるまでの辛抱だと
リリエルの生活を守り抜く決意を固めるイザマーレ。
だがそんなイザマーレに、リリエルの方が歩み寄ってきたのだ
あろうことか、お腹の中に子供を宿しながら、
客席の最前列、しかもセンターに座り
自分を見つめるリリエル
記憶を失ったままのはずなのに、
自分に向ける笑顔は、昔のままだった
生まれてくる子供に対して、嫉妬は抱かなかった
むしろ、自身のことのように喜び、
後から「伝説」と呼ばれるほどの
素晴らしいパフォーマンスを見せた。
まだ臨月に入っていなかったにも関わらず
興奮しすぎたリリエルが、翌日に出産してしまったのは
…御愛嬌というものだ(笑)
この時生まれた娘のことで、長らく苦しむリリエルが
イザマーレの元に頻繁に訪れるようになり、
各会場で涙を流すリリエルを何度も励まし続けたのは
しばらく後のこと…
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