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不満の代償


数日後、仕事に復帰したダイヤは

ダンケルに魔宮殿へ戻れと呼び出された。


急いで戻ると、イザマーレとウエスターレンとリリエル、

裕子が王室に居る。


しかしダンケルは少しご立腹の様子だった。


少し前の事


イザマーレから、ダイヤを切り付けた悪魔を見つけたと報告があった。


『すぐ連れてこい!』

ダンケルはニヤッとして言ったが…




 

『とっくに処刑してますよ。

低級悪魔なんぞ陛下の手を煩わせる事もないですし、

セルダの拷問に耐えられず、さっさと消滅しました』


そんなやり取りをしていた


イザマーレの話に欲求不満になっていたダンケル。


「…陛下、もう処刑されたんだから、いいんじゃない?」

ダイヤはため息交じりにダンケルを見つめた


「いつも、何でもかんでも面倒な尻拭いを

俺たちに押し付けるくせに、今回は珍しいな、ダンケル(笑)」

ウエスターレンは含み笑いをしながら言う


「ダイヤ様の前でカッコよくなさりたかったのね?

いつもそうしてくれて良いのですよ?」

リリエルも物静かに話す


「…別にいいだろ!私はダイヤが可愛いのだ!!

ダイヤの仇を取らんと気が済まない!」

ダンケルがイラついて駄々をこねている


呆れ顔でウエスターレンは見ていたが…

「仕方ねえなあ!」

言い残して立ち去り、

数分後にセルダと犯罪魔を連れて戻ってきた。



しかし…犯罪魔は既に瀕死状態。

ぐったりとダンケルの足元に横たわっている


「…これでは生き血祭りすら出来ないではないか(怒)」


ダンケルは犯罪魔を蹴りながら言ったが…

突然魔力で犯罪魔を生き返らせた




 

「あ~ぁ…生き返らせたよ…もう陛下…引くわ…」

ダイヤは超ドン引きして呟いた


ダンケルは笑いながら犯罪魔を怖がらせ、

剣で刺しまくり切り付けていたが


「…もう飽きたぞ…」

血塗れの犯罪魔を刺しながら、ため息交じりに呟く


「だよね~。俺もすぐに飽きたわ。全くつまらんかったもんね…」

セルダも頷きながら同感している


「……」

裕子は唖然として青ざめていた。


「はい!おしまい!」

ダンケルは言いながら剣を振り上げ首を跳ねた。


「…もう!陛下!」

ダイヤが言うとダンケルはニヤッっと笑い剣を消して、ダイヤを抱きしめる


「仇を取ってやったぞ♪」


ダイヤは固まって引きつりながら、抱きしめられていた…



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