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交わらない真意


ウエスターレンは魔宮殿に行った。


対応したのは使用魔…


どうやらウエスターレンと会わせたくないらしい


「申し訳ありません!陛下はどうしても用事があり

お会いする事が出来ません!どうかお引き取りを!」


ウエスターレンはイラついた

「あ"?ダンケルは中にいるな?俺を誰だと思ってる?

わざわざ外から来てやったのに…

話にならねぇな!もういい!直接行く」

ウエスターレンは爆音と共にダンケルの元に移動した


「ダンケル!イザマーレに何言いやがった!」

部屋に着くなり怒鳴って掴み掛かろうとした途端

ダンケルの前にベルデが立ちはだかった



 

「…なんだベルデ?邪魔だ、どいてくれ!」

「落ち着けよ…ウエスターレン」

ベルデはウエスターレンの肩を掴んで言った。


「……」


「今、ダンケルと話してたところだよ。

君が来たからこのまま話そうよ、ダンケル?」


「…構わないが?」

ダンケルは冷たく言った


「ダンケル、イザマーレに何を言った?」


「聞いてないのか?ダイヤは私の妻になった。任務なんか必要はない。

だから帰したのだ。問題でもあるのか?」


「はぁ?意味がわからない…妻だと?忠誠を誓った分際で、

何寝ぼけた事言ってやがる。ダイヤと話をさせろ」


「……ウエスターレン、君もそんな扱いか…」

ベルデも呆れて言った


「何?話をさせろだと?」

ダンケルもイライラし始め空気の震動が歪み始めている


「…あのさぁ…2名とも…いい加減にしてくれよ…」

ベルデは静かに話した

「…ウエスターレンと始めに僕から話すから。いいね?ダンケル」

ベルデが言うと無言でダンケルは頷いた



部屋を移動してベルデは

ダンケルの考えやダイヤの気持ちについて話した

ウエスターレンは煙草を吸いながらため息を付いた


「……」



 

「彼女はやっぱりイザマーレの事が好きなんだよ。

だけどもう身を引きたいって言っている。任務が終わったら即飛ばされ、

いつも傍に居させてくれたダンケルに惹かれた部分もあったけど、

本来ならいっそうの事、全ての記憶消して

人間界へ捨ててくれとダンケルに言ったようだよ。

イザマーレを帰した後にダイヤちゃんから言ったみたい。

ダンケルには怒られたようだけど…」


「……」


「それでもイザマーレとリリエルちゃんを守りたいから任務も頑張って来た…

だけどイザマーレと事が終われば、雑に扱われ続けたのには傷付いていたって。

そりゃ女性だものね…何言われても笑って来たけど限界だったんだ。

限界が来て、切り返すことも出来なくなっていたみたいよ?」


「…あいつ…それならその事を何故イザマーレに言わない?普通言うだろ?」

煙草を飛ばし消した


「言えなかったんだよ。言えるチャンスすら無かった。

話がしたくってもする暇がない。そうなんでしょ?

あの子に話すチャンス与えてた?君らは」


「……」

ウエスターレンは何も言わなかった


「…悪魔の契約したけど生身の人間だよ?

傷付いた心は、魔力で消し去る事なんて簡単には出来ない

そんな時に、ダンケルに大切にするから嫁になれって言われたら

大切にしてくれる方に行くよ普通なら…」


「……。」


「イザマーレ次第だけど、この際手放しても良いんじゃないの?

リリエルちゃん一本に絞った方がリリエルちゃんにも

あの子の為にもなるんじゃないかな?」

ベルデは諭すように言った。


「……話はわかった。取り敢えず今回は帰るわ…」

ウエスターレンはベルデに言い残して屋敷を後にした



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