「……それよりも、陛下。
貴方こそ、また同じ過ちを繰り返すおつもりですか?
どれだけあの方を、孤独に陥れたら気が済むのですか」
「!」
リリエルはいつのまにか、ダンケルを強く睨んでいた。
「この世の安泰が、誰のおかげだったのか…
忘れたとは言わせませんよ。
それとも、私が今ここで怒り狂って
閣下を暴走させましょうか?
止められるのですか?あの方の魔力を……」
屋敷にいるイザマーレに見守られているとは露知らず、
ダンケルを叱り倒すリリエル。
「というわけで、失礼させていただきます。
少しの間でしたが、お世話になりました」
魔宮殿の扉を開け、出てくるリリエルを
待ち構えていたウエスターレン。
「長官!」
嬉しそうな笑顔のリリエルがそこに居た
女になったLilyelをイザマーレに紹介されたあの瞬間を思い出した
(ようやくこれで、すべてが還る……)
「リリエル、待っていたぞ。
一刻も早く、イザマーレの元に行ってやれ」
熱い思いを堪え、リリエルを屋敷まで瞬間移動させた。
「わぁ♪ありがとうございます!長官、あの……閣下のご様子は……?」
「…リリエル、頼む。何があっても
あいつを孤独にさせないでくれ。俺もお前を守るから……」
迷いもなく頷くリリエルを、心の底から誇りに思う
イザマーレを慰めたい、その想いだけで花から女に生まれ変わり
自ら身体を差し出したあの日のように
イザマーレに駆け寄るリリエル
…………
こうして、リリエルに全ての記憶が戻り
彼女のおねだりに応える形で、愛契約を取り消し
時空縛りを避ける為に、忠誠契約に切り替え
リリエルが人間界に居る間の護衛の役目をダイヤに命じた
そして、永久の刹那、一週間の日々が始まったのだ
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