ダイヤは魔宮殿から出たものの…
仕事は非番で仕事場に行く気も起きなかった。
今までのほほんと過ごしていた分、
切り替えがなかなか出来なかった。
時間を潰す為にぶらぶら歩いていた。
そのうちにイザマーレの屋敷の前に来ていた。
「……。」
ダイヤは迷った。暇だから来たと言うのもどうなのか…。
迷惑だろうな…と屋敷の前で悩んでいた
「ダイヤどうした?リリエルに用事か?」
急にイザマーレが姿を現した。
どうやら公務から帰宅してきたようだ。
リリエルは髪に乗せてないらしい。
「仕事休みじゃなかったのか?
それともウエスターレンに用事か?
まさか吾輩な訳はないよな?」
ズイズイと聞いてくる…
「え~と…ハッキリ言えば…
時間を潰さなければならなくって…夜まで暇なので遊びに…」
言い辛そうにダイヤは言った
「うん??時間潰しに?陛下はどうされた?」
「今、来客中で魔宮殿に居ますよ?」
「なぜ后のお前が一緒に居ないのだ?」
イザマーレは不思議そうに言った
「その場に居てはお相手の方も話し辛そうだったので
気を効かせて出て来た訳です」
「……」
「で、今からリリエル様とラブラブなら帰りますよ?」
「因みに誰と会ってる?」
「天界のミカエル様」
イザマーレが一瞬固まったように見えた。
「入れ。リリエルは中に居る。但し!ミカエルの話は一切禁止。」
「…?はーい。了解です。でも何で?」
「…リリエルがミカエルに惚れたら困るんでな(怒)」
ダイヤはひきつった
「お言葉ですがリリエル様は閣下のお妃。閣下の妻!
ミカエル様に惚れるなんて…ないない。あり得ないわ絶対に。
元、結晶の片割れが言ってるんですから~。
とりあえずここだけの話にしますので。安心してくださいませ」
「……」
イザマーレは目を細めて疑いの目を向ける
ダイヤはニコニコして
「大丈夫と言ってるんですが(怒)
心配ならリリエル様の傍に居なされ!
私が言うものならその場で閣下が始末すりゃいい事なので!」
今度はダイヤが冷たく言った。
「まあいい。とりあえず入れ。
とにかくリリエルには言うな!分かったな!!(怒)」
例えダイヤがダンケルの后になろうが
イザマーレにとってはリリエルの結晶の片割れだった。
特別扱いもせず…。
その事はダイヤも理解している。
昔の私なら…リリエルの事ばかりと焼きもちを焼いていただろう…
しかし今は違う。
リリエルの事を愛して守る。
時には自分の事も気にかけて、
厳しくしながらも見守ってくれるイザマーレを
尊く、愛しく思うのだった。
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