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在りし日の闇


ダンケルに連れてこられたのは

魔宮殿のある何もない広い部屋


…一面に広がるコンクリートの壁…


昔、ダンケルに魔力の指導された部屋だった


「さぁ…始めようか…気を抜くと死ぬぞダイヤ」

かつてのように冷酷に言い放つ。


ダンケルが召還した魔物…

身体は人で顔は角を生やした牛のような魔物が

容赦なくダイヤを襲う。


初めはかわしていたが、その内に体力も限界に達し

魔物の攻撃を避けきれず、まともに受けてしまい気を失う


だが…


「何をしている!気を抜くなと言っただろう!」

ダンケルは怒鳴り、魔力で水を出しダイヤにぶちまけた


「……すみません…」


冷たい水で気が付き、

フラフラになりながら起き上がろうとしたが

身体が言うことを効かず動けない…。

呼吸も整わず再び倒れ込んだ


「…誰が休んで良いと言った?甘いぞ!」

ダンケルからバシバシと鞭が飛んでくる

痛さで叫ぶがお構い無しだった…


連日同じ繰り返しのダンケルからの訓練…


ダイヤも数週間後には要領も分かり、

徐々に交わし方や攻撃の仕方、体力的にも力が付いてきた。


昼夜問わず訓練に励むダイヤ

気が付かないうちに顔も身体も傷だらけになっていた。


久々に会った裕子はダイヤを見て驚き、

すぐにリリエルに報告していた…



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